駐車場に遺棄された3匹の子猫 段ボール箱の中で必死で鳴いていた 優しい人に助けられみんな幸せに
2024年のまだ寒い季節、高知県内の大型チェーン店の駐車場に段ボールが置かれていました。中には生まれたばかりの子猫が3匹。
警察も出動する騒ぎになりましたが、丸1日鳴き続ける様子を見かねた心ある従業員が一時保護。数日間お店のバックヤードで子猫3きょうだいのお世話をした後、「いつか絶対に幸せを掴むんだよ」と地元の愛護団体、アニマルサポート高知家に思いを託すことにしました。
■先立ってオスの2匹に「ずっとのお家」が見つかった
オスの2匹に「秋」と「光」、メスに「おしげちゃん」と名付けられ、アニマルサポート高知家と提携する預かりボランティアのSさんの家でお世話を受けることになりました。3匹ともスクスク成長し、オスの秋と光に里親希望者さんからの「うちにおいで」の声がかかりました。
この里親希望者さんは2023年末に7年一緒に過ごした先住猫を亡くし、落ち込んでいたところで秋と光のことを知り、迎え入れることにしたとのこと。
正式譲渡となった後も、まだまだ小さい秋と光。予想だにしない行動を取ることも多いそうですが、それも含めて「2匹と過ごす毎日が楽しい」と教えてくれました。
まずは2匹が優しい里親さんの元で幸せをつかんでくれました。
■残されたメスの1匹を迎えれることにしたのは…
巣立っていく秋と光の背中を見送る格好になったおしげちゃん。しばらくの間、里親希望者さんとの出会いを待ち続けていましたが、ここで意外な人からの「うちの子にする」という申し出がありました。
なんと、ずっとお世話をし続けた預かりボランティアのSさんでした。聞けば、きょうだいが巣立ちひとりぼっちになったおしげちゃんは毎日寂しそうに過ごしていたと言います。
3きょうだいでも一番のビビリで臆病なおしげちゃんは、当初はSさんにも懐きませんでしたが、ある日のこと、普段なら自ら歩み寄ってくる素ぶりは見せないおしげちゃんが、突然Sさんの膝の上に乗ってきて甘える素ぶりを見せました。後にはSさんの布団の中にも入って来るようにもなりました。
Sさんは「おしげちゃんにこれ以上寂しい思いをさせたくない」と預かりではなくこのまま家族としてずっと一緒にいようと決心したのでした。
■心ある人たちの思いを受け3匹全てが幸せに
おしげちゃんはSさんの家で「本当の家族」となってからは、さらに甘えん坊ぶりを発揮するようになり、柔和な表情を浮かべながらさらにスクスク成長しています。
駐車場に遺棄された段ボールの中で必死に「助けてください」と鳴き続けていた3きょうだい。心ある人たちの思いを受けて、皆が幸せをつかむことができました。3きょうだい全てが成猫となったあかつきには、再会し一緒に過ごせる機会があると良いなと思いました。
(まいどなニュース特約・松田 義人)