宮沢りえとCM共演から「アンチヒーロー」の死刑囚の娘役 注目の17歳・近藤華 「サユリ」でホラー初挑戦

「心霊写真を見すぎて…その日の夜は早く寝ました」

2024年一番の傑作ホラー映画「サユリ」(8月23日公開)で、キーパーソンである霊感の強いヒロイン・住田を演じた近藤華(17)。宮沢りえとの共演CMや連続ドラマ「アンチヒーロー」で注目を集めたニューカマーが、苦手意識を克服して“最狂”ホラーに華を咲かせる。

■オーディション参加に歓喜

「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」「貞子vs伽椰子」で知られる白石晃士監督による、構想5年超の入魂作。漫画家・押切蓮介のオカルトコミックを、異様なテンションと限界突破のパワーで実写映画化した。

オーディションで大役を得た近藤だが、実は大の怖がり…というかホラー嫌い!?「遊園地のお化け屋敷に入るのも苦手で、ホラー映画もあまり見てきませんでした。ホラー=得体のしれない未知の領域というイメージがあります」と苦笑い。

それなのに「オーディションを受けることができると知ってすごくうれしかった」と声を弾ませる。一体ナゼ?

■オタク気質に共通点

「ホラーを見たり体験したりするのは苦手ですが、驚かす側には興味がありました。怖い物語はどのように生まれて、どのように作られていくのか?制作過程はすごく楽しいのではないかと思うからです。実際に『サユリ』の撮影現場は皆さんワイワイとしていてホラーを作っているとは思えない明るさがありました」

原作と脚本にも好奇心を刺激された。「この怖い原作漫画をどのように表していくのかと思って脚本を読んだら、セリフや描写が生々しくてリアル。映画オリジナルの部分も含めて、原作を読んだ時以上の恐怖を感じました。その日は1日中怖くて、早く布団の中に潜りたいと思いました」

演じる住田の性格に共感したことも大きい。「人と目を合わせてしゃべることが苦手で、ドギマギし過ぎてコミュニケーション能力が低くなってしまうところは私そっくり。オタク気質という点も共通点です」と共鳴する。

■幽霊画像検索で早寝

とある一軒家に引っ越して以来、立て続けに家族を亡くしていく中学3年生の神木則雄(南出凌嘉)。彼の背後に禍々しい呪いの気配を感じた住田は、則雄を助けるために神木家を訪れるのだが…。

自身の霊能力に悩まされる住田の感覚をつかむため、「普段は絶対に見ない幽霊の写真や動画を検索した」という近藤。その結果「幽霊以外にもグロい口裂け女の画像が出てきたりしてすごく怖かった。しかも夜に見てしまって…その日は早く寝ました」とタイミングを間違えたと反省している。

神木家に巣食う悲しき怨念サユリとの緊迫の対峙シーンでは、趣味のアニメ制作で培った妄想力を発揮。

「自分で絵を描く時に使う想像力を応用して、実際に幽霊が目の前にいると思い込んでリアクションをとりました。極限状態の人間は目を見開き、表情も強張り、行動も早くなるはずなので、普段生きている上ではしない感情の起伏を意識。撮影前に実際に走って物理的に心拍数を上げました」と舞台裏を明かし「恐怖に晒された住田の極限状態が私の顔に表れているはず」と初ホラー作品完走の手応えを教えてくれた。

(まいどなニュース特約・石井 隼人)

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