アパートの1室に16匹の猫 エサよりも水に群がった ゴミだらけの部屋には複数の遺骸 

2023年末、高知県内のとあるアパートの1室で16匹の猫が過ごしていることが判明しました。

アパートの住民、大家さんなどがこの部屋の借主に掛け合い、以降の猫をどうするつもりかなどを話し合いました。

増えてしまった猫を、一時的にどこかに預かってもらい、メチャクチャになった部屋の現状回復を借主も承諾。後に預かりの依頼を受けた地元の愛護団体・アニマルサポート高知家のメンバーは「まず何をすべきか」を確認しに、そのアパートの1室に訪れました。

しかし、そこで部屋の様子を見て絶句。玄関先から目を覆いたくなるようなゴミの山。そのゴミだらけの狭いアパートの部屋の中を猫たちがひしめき合って過ごしていたからです。

■電気・ガスなどが停められ借主はアパートに戻らなくなった

無数に入り組むゴミの間には、亡くなった猫の遺体も複数ありました。

ひしめき合う猫たちのエサは、近所の方と大家さんの娘さんがあげてくれていたそうですが、電気・ガスなどのライフラインのほとんどがストップしており、かろうじて水が少し出る状態。ライフラインが止まってからは借主は家に戻らなくなったそうです。

メンバーがエサと水を与えようとすると、猫たちはエサより先に水に群がります。「どうしてここまで……」と、悲しみと憤りが入り混じる複雑な心境となるメンバーでした。

■預かりではなく保護に切り替え16匹を引き取ることに

当初は「メチャクチャになった部屋の原状回復」をするための一時預かりの依頼でしたが、メンバーから見て、このアパートの借主に再び猫たちを戻しても適切な世話はまず難しそうです。

借主に確認を取った上で、一時預かりではなく保護に切り替えることにしました。16匹全ての猫に適切な世話をし、1匹ずつ里親さんへのマッチングを目指すことにしました。

■動物を飼う責任を全く理解していなかった様子

現在、団体では保護した16匹のうち不妊手術がまだだった14匹の手術を実施。1匹ずつの大切な命を守り、幸せへと繋ぐようお世話をし続けています。

借主も当初は「かわいい」と外猫をアパートの中に招き入れたことでしょう。しかし、「動物を飼う」ということは相応の責任をともなうこと、そして「未去勢の猫」を放っておけばやがて繁殖し、大変な事態になることを全く想像できなかったように感じます。

狭いアパートの中で、水さえ得られずひしめき合っていた16匹の猫たちが1日も早く安心して過ごせる環境を掴んでくれることを強く願ってやみません。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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