瞳が寂しそうなアイリッシュセッター たっぷりの愛情を注ぐと笑顔のお利口ワンコに変身 トライアルを頑張ってるよ

千葉・市川にある保護団体、GUNDOG RESCUE CACI(以下、CACI)。2024年春、団体を応援する四国のボランティアとの交流を経てCACI代表は高知県を訪れ、地元の高知県小動物管理センターの視察や民家での多頭飼育現場を訪れました。

民家の主は高齢者。7匹のワンコを飼っていましたが、高齢で体調を崩し十分なお世話ができなくなり、散歩などにも連れて行けなくなりました。結果的にワンコたちはストレスを抱え吠えることが多くなり、近隣から度重なる苦情が出ていました。

民家の主はそれでもワンコたちを手放したくなかったようですが、家族を含む周囲の説得を受け、4匹を手放すことに承諾。4匹は後日関東のシェルターや預かりボランティアさんの元でお世話をすることにしました。このうちの1匹で、全てを諦めたかのように寂しそうな目をしていたのがアイリッシュセッターのむく。3歳ほどのオスのワンコです。

■心を開き笑顔とお利口な一面を見せるようになった

CACIと提携する預かりボランティアさんの家に迎え入れられたむく。突然連れて来られた都会の雰囲気と新しい家に少々戸惑い気味。相変わらず寂しそうな表情を浮かべ、人間を前にしても心を閉ざすような素ぶりを見せていました。

預かりボランティアさんはそんなむくに、慌てず慎重に世話を続けました。たっぷりの愛情を受け続けたむくは程なくして心を開くようになり、表情も柔らかくなりました。

特に預かりボランティアさんとの散歩は大好きで、歩いているときはいつも笑顔を浮かべるようになりました。

さらにむくが心を開くようになりわかったことは、かなりのお利口さんだということ。

他のワンコとフレンドリーに接することができ、「待て」「お座り」などもすぐに覚えてくれました。また、元の民家では外飼いでしたが、ケージもすぐにクリア。これだけのお利口さんなら、新たな里親さんとのマッチングでもすぐに幸せを掴んでくれるだろうと期待されました。

■約1カ月ほどで里親希望者さんからの申し出が!

期待は的中。保護から1カ月ほどで「迎え入れたい」という里親希望者さんが現れました。

この里親希望者さんの家には先住犬がいて、他のワンコとのコミュニケーションが大好きなむくにピッタリの環境です。

すぐにこの家でトライアルが実施されましたが、かつて高知県の民家で過ごしていたときのような寂しそうな表情はもうありません。

初めて会う里親さん、先住犬を前にうれしそうな表情を浮かべ、初めての家でも落ち着いて過ごし、エサもいっぱい食べてくれるようになりました。

現在はまだトライアル中ですが、この温かい里親希望者さんの家が、むくにとっての「ずっとのお家」となることを祈るばかりです。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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