沖縄・石垣島で生まれ、生後6カ月ほどにして行き場を失ったオスのミックス犬・クリス。島の保護ボランティアさんは、懇意にしている西東京のチーム「いぬとずっと　ハッピーアダプション部」に相談しました。

ちょうどキャパシティに余裕がありチームは依頼を快諾。石垣島から羽田空港までクリスが届けられました。

■部屋中の物は全てクリスのオモチャと化した…

メンバーの家に迎えられたクリスは、長旅の疲れと初めての環境にドギマギ。多くの保護犬が見せる「初めての部屋の探検」はせず、そのまま丸くなって寝てしまいました。

メンバーは「クリスはおとなしい性格のワンコかも」と思いましたが、数日が経過し部屋に慣れてくると、保護当初から一変。いかにも子犬らしいヤンチャぶりを見せ、「部屋中全てが自分のテリトリー」と思うかのようにはしゃいで大暴れ。部屋中にあるものは全てクリスのオモチャとなり、衣類やCDプレイヤーなどを次々に破壊していきました。

■「叱られている」ことを理解するようになった

やりたい放題のクリスを「なんくるないさ」と放っておくわけにはいきません。イタズラを発見する度に、メンバーはあえて厳しく叱るようにしました。すると、クリスの尻尾が股の間に隠れ怖がるように。

「叱られている」ことを理解してくれていることの証明で、以降少しずつクリスのイタズラの機会は減っていきました。

■他のワンコや飼い主さんたちの間でも人気者に

散歩の場面で他のワンコと出くわすと「一緒に遊ぼう！」と誘うようにもなりました。

あふれんばかりの元気を見せるクリスですが、他のワンコにけんかを仕掛けることはなく、穏やかな性格であることを感じさせました。もちろん、他のワンコや飼い主さんたちからも人気者となり、クリスは一歩ずつ成長しながら、充実の日々を送っていました。

■成長したクリスに優しい里親さんが待っていた

保護から約8カ月ほどが経過し、「クリスを迎え入れたい」という里親希望者さんが現れました。

すっかり聞き分けの良いお利口さんに成長したクリスは、初めての家でも動揺することはありません。すぐに里親希望者さんになじみ、先住ペットのセキセイインコにもご挨拶。ここでクリスは正式譲渡となり、見事「ずっとのお家」を掴むことができました。

里親さん家族は皆明るく朗らかで、くったくのないお利口さんのクリスにとって、この上なくピッタリの環境です。笑顔の絶えない家庭に迎え入れられ、今日もクリスは元気に過ごしているそうです。やんちゃだった子犬からすっかり成長したクリス。いつまでも幸せに過ごしてね。

（まいどなニュース特約・松田 義人）