アラフォー寅子を演じる伊藤沙莉のナチュラルさに感動 『虎に翼』制作統括が語る「主演女優の凄み」
今週放送された連続テレビ小説『虎に翼」(NHK総合ほか)第22週「女房に惚れてお家繁盛?」では、「家族のようなもの」を始めることを決めた寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)が、航一の実家である星家で同居を始めた。しかしなかなか一筋縄ではいかず、「一度立ち止まってふり返る」期間を置くため、寅子は優未(毎田暖乃)を連れて数日登戸に帰省することにした。
女学生時代の17歳から物語が始まり、現在は四十路を過ぎた寅子。どの時代も、30歳(撮影開始時は29歳)の伊藤沙莉が見事に演じ切っている。物語も終盤に差し掛かったいま、主演女優について思うことを、制作統括の尾崎裕和さんに聞いた。
■1年間、「寅子として」年齢を重ねた伊藤沙莉
尾崎さんは、アラフォーの寅子を演じる伊藤についてこう語る。
「伊藤沙莉さんはとにかく、どの年代を演じても『自然』で。『新潟編』で支部長という立場になって以降、寅子は部下を持つ『上司』であり『管理職』になるのですが、しっかりと『上司感』が出ていました。部下をよく見て、部下がよりベターな判断をして成長していけるように見守る寅子を、伊藤さんがナチュラルに表現されています。僕も管理職として見習いたいところが多々ありました。約1年間に及ぶ撮影期間の中で伊藤さんは、まさに寅子として年齢を重ねてきたことを感じさせられます」
■現場にはいつも“座長”の「ハハハ」という笑い声が
一方で、逆に「変わらない」ところもあるのだという。
「朝ドラの撮影、とくに主役は本当に大変なので、歴代の主人公を演じた俳優さんから『大変だった』とか『苦労しました』というようなお話をよく聞くのですが、伊藤さんは、撮影が始まった頃から今まで本当に変わらないというか。ずっと明るく笑っているし、現場に行くといつでも伊藤さんの『ハハハ』という笑い声が響いているんです。初めから終わりまで、ポジティブな気持ちで現場にいてくださって。その、『変わらないでいること』の凄さに感動します」
物語は終盤に突入し、いよいよ「原爆裁判」の判決も。最後までポジティブに突っ走る伊藤沙莉の名演を堪能したい。
(まいどなニュース特約・佐野 華英)