正式譲渡された猫きょうだい 約1カ月後に戻った2匹は人間を怖がっていた もう悲しい思いはさせないからね

とある事情で行き場を失っていたメスの大ちゃん・オスの福くんという猫きょうだい。後に心ある保護主さんが2匹の命を救い、そして新しい家族を見つけてあげるよう奔走しました。

そんな中で「うちにおいで」と言ってくれた人がおり、2匹はこの家に正式譲渡となりました。しかし、1カ月後には再び保護主さんの元に2匹とも帰ってくることに。一体何があったのでしょうか。

■2匹の命を託した里親のもとでは約束が守られていなかった?

保護主さんは、大ちゃん・福くんの幸せを願い、里親希望者を信頼し一度は正式譲渡したのですが、後に福くんがこの家から脱走。

普通なら、慌てて脱走した福くんの捜索などをするはずですが、里親は何もしませんでした。また、残った大ちゃんも満足なエサをもらっていなかったのか、ほっそりとした体に。

これを知った保護主さんは愕然。当初の約束が守らない里親の元では大ちゃんも福くんも幸せにはなれないだろう、と再度引き取ることになりました。

■保護主さん宅に出戻った2匹はとにかく怯えていた

前後しますが、逃げ出した福くんの捜索は、猫のあらゆるサポートをする会社「ねこから目線。」に保護主さんが依頼し、約1カ月後に無事に保護。里親から引き戻した大ちゃんと、保護主さん宅で再会し、再出発を図ることになりました。

里親の元で大くん・福ちゃんに何があったかは想像の域を出ませんが、2匹とも人間をとにかく怖がっている様子。保護主さんは努めて「怖い人ばかりじゃない」と知ってもらえるよう優しく接し続けました。少しずつ心を開き、再び甘えてくれるようになった2匹は後に保護猫カフェ「Cat Space」に入店。日々カフェにやってくるお客さんと接しながら、「今度こそ」の里親さんとの出会いを待つことにしました。

■幸せを掴んだ大ちゃん。福くんにも「今度こその幸せ」が訪れますように

「Cat Space」入店から約7カ月後、大ちゃんに「うちにおいで」の声がかかりました。

里親希望者さんは積極的な大ちゃんの様子に「一目惚れした」そうです。ただトライアルの最初のころは「借りて来た猫」状態。緊張がほぐれない大ちゃんでしたが、里親希望者さんがたっぷりの愛情を注ぎ続けたところ、心を開き、部屋の中を自由に行き来し甘えてくれるようになりました。

果たして大ちゃんは、ここが「今度こそのお家」となり、保護主さんの元から巣立っていくことになりました。

福くんは良縁を待っていますが、保護主さんは「ぴったりのお家」が見つかるまで新しい里親さんを探し続けるつもりです。

最初の譲渡先から逃げ出し、保護主さんの元に出戻ることになった福くん。お先に幸せをつかんだ大ちゃんに負けないくらい「幸せ」をゲットしてね。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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