若年層が深刻に感じる心身の不調…男性「AGA」、女性「不眠症」 一方で…不調に対処できていない人多く
サントリー食品インターナショナル株式会社(東京都港区)は、このほど「若者の心と体の健康」に関する実態調査の結果を発表しました。同調査によると、深刻度が高い心身の不調は、男性が「AGA(男性型脱毛症)」、女性では「不眠症」が最多となりました。では、深刻に感じる一方、対処できていない不調にはどのようなものがあるのでしょうか。
調査は、健康課題がある全国の18~34歳の男女864人(男性423人、女性441人)を対象として、2024年5月~6月の期間にインターネットで実施されました。
まず、「普段悩んでいること」を尋ねたところ、「仕事・勉強」(60.6%)、「健康・体調」(53.0%)、「美容」(40.7%)などが上位に挙がりました。
これを男女別にみると、男性は「仕事・勉強」(66.4%)、「健康・体調」(47.9%)、「恋愛」(32.6%)、女性では「仕事・勉強」(59.0%)、「健康・体調」(54.4%)、「美容」(46.3%)などが上位となり、男女ともに約半数が「仕事・勉強」や「健康・体調」の悩みを抱えており、恋愛や美容を上回る結果となっています。
また、「普段、何らかの悩みがある」と回答した人のうち、働く男女579人に、「職場の人間関係において影響を与えている不調がありますか」と尋ねたところ、全体の65.0%が「影響を与えている不調がある」と回答。男女別では、男性が67.8%、女性は63.7%という結果でした。
そこで、不調により仕事のパフォーマンスがどの程度落ちるのか、病気やケガがない時を100%として、直近の自身の仕事を0~100%で評価してもらったところ、平均で男性は71.2%、女性は72.4%となり、男女とも不調によるパフォーマンス低下はおよそ3割ほどであることがわかりました。
不調により「100%のパフォーマンスが発揮できていない」と答えた男性302人、女性211人に、「仕事のパフォーマンスに影響を与えている不調」を教えてもらったところ、男女ともに「落ち込みやすい/不安になりやすい」(男性22.4%、女性17.2%)が最多に。
次点以降では、男性が「だるい/全身に倦怠感がある」(21.7%)、「イライラする/怒りっぽくなる」(17.3%)、女性では「とにかく眠くなる」(17.2%)、「イライラする/怒りっぽくなる」(17.0%)が続きました。
続けて、「普段感じている不調の症状」を全回答者に尋ねたところ、男性は「落ち込みやすい/不安になりやすい」(32.3%)、「だるい/全身に倦怠感がある」(29.2%)、「とにかく眠くなる」(28.0%)といった回答が上位に並びました。
一方、女性では「イライラする/怒りっぽくなる」(45.5%)、「肌が荒れる」(45.1%)、「落ち込みやすい/不安になりやすい」(44.5%)がTOP3となりました。
そのほか、「食欲増加/甘いものが食べたくなる」(37.5%)、「だるい/全身に倦怠感がある」(34.7%)、「とにかく眠くなる」(31.8%)といったPMSとも考えられる症状がランクイン。「PMSの症状がある」と自覚している女性は31.8%であるものの、6症状のうち、いずれかに悩む女性は86.7%にも上ることがわかりました。
さらに、「深刻度が高い不調」については、男性は「AGAの症状がある」(81.7%)、「EDの症状がある」(74.5%)、「男性としての自信が持てない」(73.3%)が上位に挙がり、女性では「不眠症である」(81.1%)、「女性特有の毎月のイライラ期がある」(73.4%)、「勉強や仕事が手につかない」(73.1%)がTOP3となりました。
その一方で、「自覚していても対処できていない不調」としては、男性は「EDの症状がある」(42.3%)、「人と会いたくなくなる/家にひきこもりたくなる」(37.7%)、「男性としての自信が持てない」(34.7%)の順となり、深刻度が高い不調2位の「EDの症状がある」は、深刻であると自覚していても、「対処できていない」と答えた人の割合が全ての不調の中で最も多くなっています。
また、女性が対処できていない不調は「PMSの症状がある」(42.1%)、「イライラする/怒りっぽくなる」(40.8%)の順で、ともに約7割が深刻度が高いと感じているものの、「対処できていない」不調の上位に挙げられました。
次に、自身の不調について、誰かに相談することへの抵抗感を不調の症状別に聞いたところ、男性が相談しやすい不調の症状は「肌が荒れる」(69.2%)、「むくみ」(69.0%)、「だるい/全身に倦怠感がある」(67.7%)がTOP3に。逆に相談しづらい症状は「EDの症状がある」(73.4%)、「男性としての自信が持てない」(73.2%)、「性欲がわかない」(67.8%)が上位に挙げられました。
一方、女性が相談しやすい不調の症状は「肌が荒れる」(75.1%)、「むくみ」(72.6%)、「食欲増加/甘いものが食べたくなる」(72.0%)の順で、逆に相談しづらい症状は「体臭・口臭が気になる」(69.8%)、「他人の視線が気になる」(67.6%)、「人と会いたくなくなる/家にひきこもりたくなる」(63.6%)が上位に挙げられたほか、女性特有の「PMSの症状がある」については、62.3%が「相談しやすい」と答えています。
また、相談しづらい不調について「誰となら共有できますか」という質問には、「共有できる人はいない」が男女とも多くなっています。男性は「男性としての自信が持てない」(35.4%)、女性は「体臭・口臭が気になる」(38.9%)など、3割以上が誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまっていることが見て取れました。
最後に、「深刻度の高い不調を感じた時にすること」を教えてもらったところ、男性は「インターネットや書籍で対処法を調べる」、女性は「何もしない・我慢する」が多くなり、深刻な不調と自覚していても、医療機関を受診する若年層は少ないことがうかがえました。