「どげん屋台に行きたいと?」博多弁でおすすめ屋台を教えてくれる生成AI「屋台常連のAIおいちゃん」が人気!福岡市の「屋台LINE公式アカウント」
福岡市が運用する屋台のLINE公式アカウント「FUKUOKA GUIDE」に今年7月、屋台に関する質問を入力すると「AIおいちゃん」が博多弁でおすすめ屋台を教えてくれる「屋台常連のAIおいちゃん」機能が追加され、注目を集めている。同市内には現在、101軒の屋台があるが、特に初めて屋台に行く人、新たな屋台を探訪したい人にとっては「自分好みの屋台が見つかった」などと好評だ。
屋台のLINE公式アカウント「FUKUOKA GUIDE」を友だち追加登録すると、2つの方法で屋台を検索できる。ひとつは6つの条件(現在地、エリア、グルメ、支払い方法、新しい屋台、その他)から探す方法、もうひとつが「AIおいちゃん」に聞く方法だ。
「AIおいちゃんが決めちゃるばい」という表示をタップすると、「屋台の常連」というAIおいちゃんが「どげん屋台に行きたいと?どげん店主に会いたいと?どの屋台もよく知っとるけん、おいちゃんに聞いてみらん?」と博多弁で回答。たとえば「福岡名物の料理が楽しめて、地元の人に人気な屋台に行ってみたい」と入力すると「○○がおすすめばい!」とおすすめ屋台の詳細を教えてくれる。
同市では昨年、屋台基本条例(全国初の屋台の条例)制定10年を迎えたのを機に、LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社との共働プロジェクトを開始。最新のデジタル技術を活用した「屋台DX」の取り組みを進めており、この屋台公式LINEアカウントはその一環だ。
経済観光文化局・屋台の魅力向上担当の濱田洋輔さんはこう語る。「屋台DXは屋台特有の課題を解決し、より便利で快適に楽しんでいただくための取り組みです。例えば、これまではその日営業しているかどうか、現地に行ってみないとわからず、店主もワンオペだったり仕込みが忙しかったりで電話対応なども難しいという状況でした。そこで屋台にIoT電球(ハローテクノロジーズ株式会社の特許製品「ハローライト」)を設置。電球が点灯すると自動的にシステムが感知して、その日の営業状況をLINEの公式アカウントに表示できるようになりました」
今回の生成AI(ChatGPT)による屋台検索「AIおいちゃん」機能追加は、屋台DXを進化させた形。「たくさんある屋台の中から自分の嗜好に合う屋台を気軽に探せるようになり、ユーザーからは『楽しく屋台選びができ、のれんがくぐりやすくなった』などと好評です」(濱田さん)。もちろん屋台検索機能は英語版への切り替えも可能だ。
同市によると、屋台の市内経済波及効果(推計、2023年11月調査)は104.9億円。前回(2011年12月調査)の53.2億円と比べると約2倍に伸びている。「屋台は福岡市を代表する観光資源。より一層の魅力向上と情報発信、利便性向上に取り組んでいきます」と濱田さんは話している。
(まいどなニュース特約・西松 宏)