期間限定の和菓子「栗三兄弟」が話題 「秋が、始まる」「3つとも食べたいで~す」
店頭に秋の代表的な味覚「栗」のお菓子がならぶ季節になりました。和菓子の魅力を積極的にXで発信する「ふれんちぶる」(@FCVPf07VuvKlVdb)さんが、さっそく「栗三兄弟」として『とらや』の「栗鹿の子・栗粉餅・栗蒸羊羹」を紹介したところ、「わあ~!美味しそう 3つ共食べたいで~す」「秋が、始まる」「栗菓子の三銃士じゃなぃすか!!」などとコメントが寄せられて話題になっています。
栗生菓子を紹介した理由について、ふれんちぶるさんは「室町時代後期から続く老舗が心を込めて作られる栗三兄弟は、全て『今年収穫した栗』を使用されています。栗だけでなく、白小豆は契約栽培の虎屋独自品種である『福とら白』、栗蒸羊羹にはごろっと蜜栗が入っています」と、美味しいから販売期間中に何度もいただくそう。
3種類のうち特に人気がある生菓子が『栗粉餅』で、初出年代はなんと元禄13年(1700年)とのこと。初出年代というのは、虎屋に残る資料の中で、最初に菓銘等の記録が見える時期のことで、販売が開始された年とは異なるそうです。詳しいお話を虎屋の広報担当者さんに伺いました。
──『栗粉餅』に関する古い資料が残っているのですね。
『栗粉餅』は、室町時代から公家の日記や、茶会記に見える菓子で、餅に栗の粉をまぶした素朴なものと考えられます。虎屋の記録としては、元禄13年「諸方御用留帳」に菓銘が記載されているのが初出で、絵はありませんが、同様に餅に栗の粉をまぶしたものと考えられます。昔ながらの『栗粉餅』は、今も中津川(岐阜県)などで作られています。
時代はくだって、大正7年(1918年)「数物御菓子見本帖」には、餡玉にそぼろをつけた形で描かれていますが、菓銘の横には「御膳餡入、御好は栗餡入」と記載されています。ただし現在の虎屋の『栗粉餅』」のように、裏漉しした栗と白餡を混ぜた生地をそぼろにして、求肥包みの餡につけたお菓子であるかは、わかりません。
──100年以上前の資料で、『栗粉餅』がそぼろだとわかるのですね。発売開始日の発表は、毎年直前になってしまうのですか?
その時期に採れた弊社の基準にあう品質のよい栗を、担当部署の者が何度も産地へ視察などを重ねて品質を確認し、使用しています。質の良い新栗を使うことを大切にしているため、 販売時期が毎年直前になるまでわかりません。
──なるほど。ギリギリまで吟味されているのですね。
栗の生菓子は、毎年大変楽しみにされているお客様が多く、社員にもとても人気のある菓子です。栗の味わいはもちろんですが、繊細な香りもお楽しみいただければと思います。
■栗生菓子の詳細
・『栗粉餅』
裏漉しした栗と白餡を混ぜた生地をそぼろにして、餡を包み込んだ求肥につけたお菓子
・『栗鹿の子』
鹿の子は、「鹿の子斑(かのこまだら)」(鹿の背の白い斑紋)に見立てて、甘く煮た豆を餡玉につけたお菓子です。『栗鹿の子』は、豆の代わりに栗を用いたもので、実り豊かな秋を感じさせます。
・『栗蒸羊羹』
餡に小麦粉と葛粉を加え、新栗の風味を大切にして蒸しあげており、煉羊羹とは異なる食感が特徴です。
※販売期間:2024年9月7日~10月31日(予定)
※販売場所:
【関東地方】赤坂店、TORAYA GINZA、東京ミッドタウン店、TORAYA TOKYO、帝国ホテル店、日本橋店、新宿伊勢丹、玉川髙島屋S・C、アトレ目黒1、横浜そごう
【中部地方】御殿場店(『栗粉餅』のみ販売期間が異なります)
【近畿地方】京都一条店、京都四條南座店、京都髙島屋S.C.、大丸京都店
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ふれんちぶるさんは、「栗三兄弟はセットでいただくのがオススメです。虎屋菓寮では三兄弟販売中に『栗氷』(栗かき氷、9月17日から10月10日まで)や『栗あんみつ』(10月初旬~中旬に販売開始)も楽しめるので、虎屋菓寮で栗メニューを制覇されてはいかがでしょうか」と話しています。
※ 栗を使った商品・メニューについては、状況により販売および販売期間が変更になる場合があります。詳細は各店舗へお問い合わせください。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)