夜のとばりが下りるころ開店する喫茶店「夜音（やおん）喫茶 サイドビー」（岡山市北区磨屋町）には、あるユニークなメニューがある。夜営業なのに「モーニングセット」を提供しているのだ。なぜ始めたのか、オーナーに聞いてみた。

　サイドビーのモーニングセット（800円）は、カリっと焼けたトーストと半熟の目玉焼きに、サラダ、コーヒーが付いている「王道」のモーニングだ。オーナーでDJでもある山本光希さん（35）は大のモーニング好き。「モーニングの手ごろな価格や喫茶店の落ち着く雰囲気が好きで、夜、DJイベントに出演した後、朝はご褒美にモーニングを食べていた」と話す。モーニングセットのトーストには、バターとジャムを添える。さまざまな喫茶店に通ってきた山本さんが、「甘い派」「しょっぱい派」、どちらの口にも対応できるようにと配慮した。

　店は「いつか自分の喫茶店を持ちたい」と思っていた山本さんが8月31日にオープン。夜型人間のため、夜喫茶にした。メニュー表のモーニングセットを見て驚きながらも楽しんで注文してくれる客もおり、反応は上々という。山本さんは「週末にはDJイベントを開催している。音楽を楽しむ人もいれば、モーニングを食べている人もいるという良い意味で『カオス』な空間を目指したい」と語っていた。

（まいどなニュース／山陽新聞）