秋田犬の命を繋いだのは「ハスキー犬」特殊な血液を持つ「秋田犬」は除外…ドナーになれる「供血犬」の条件とは?
新潟県長岡市にある「小林酒店」(@kobasake_tochio)さんの看板犬、4歳になる秋田犬の優美(ゆうみ)ちゃん。ある日、店長さんは愛犬の「呼吸が荒くなっている」ことに気づいた。
動物病院での診断結果は、「肺気胸」。埼玉県にある動物病院を紹介されたという。
「優美、肺気胸を患い、新潟県内では手術が出来ないと言われ、昨日、所沢市の病院に入院しました。手術は26日なのですが、輸血が必要なこともあるようで、獣医さんから、秋田犬は血小板が少ないので秋田犬以外の大型犬の血液が必要とのこと。その際には皆様にご協力頂けるとありがたいです」
X(旧Twitter)にそう投稿した、小林酒店さん。
日本では動物の「血液バンク」が確立されておらず、手術や怪我で犬に「輸血」が必要な場合、「供血犬(きょうけつけん)」という、ドナー犬が必要となる。
■秋田犬は除く、「供血犬」の条件とは?
犬の血液型は13種類以上あり、輸血の際は血液型の一致が必須だ。また、秋田犬とその交雑種は赤血球中のカリウム濃度の特性から「供血犬」になれず、患畜が秋田犬である場合も、秋田犬とその交雑種以外からの「血液」が必要なのだという。
優美ちゃんが「肺気胸」と診断されるまで、小林酒店さんもその事実を知らなかったそうだ。
動物病院によっては、専属の供血犬が飼われていたり、スタッフの愛犬や、病院に通うワンちゃんたちがドナーとなるケースもある。そして、ドナーとなる「供血犬」にはいくつかの条件がある(※各動物病院や医師の判断などにより詳細は異なります)。
①体重10Kg以上で、年齢1~7歳程度の中型~大型犬
②「採血」に協力的な犬
③狂犬病ワクチン・混合ワクチンを毎年接種している
④フィラリア・ノミダニの予防をしている
⑤妊娠・出産、輸血の経験がないこと
※「秋田犬およびその交雑種」は除外となります。
■秋田犬の命をつないだのは…シベリアンハスキー犬
今回、優美ちゃんの「供血犬」として名乗りをあげてくれたのは、フォロワーさんの愛犬、シベリアンハスキー犬だった。
「手術無事終わりました。今回は輸血の必要がなかったようなのですが、術後必要になることもあるそうで、連絡頂いたハスキー犬さんに供血頂きました。型がマッチング出来ないことに備え、他三頭の方にも待機して頂く形で万全の状態で臨みました」(小林酒店さんのXの投稿より)
退院後も通院のため、埼玉県内に住む秋田犬の女の子、花子ちゃんの家にホームステイしていた優美ちゃん。
花子ちゃんと仲良く埼玉ライフを楽しむ優美ちゃんの写真や動画を送ってくれた花子ちゃんの飼い主さんは、小林酒店さんのInstagramのフォロワーさんだという。
「この度はフォロワーさんを始め多くの皆様に感謝でいっぱいです」と、Xにポストしていた小林酒店さん。そして先日、飼い主さんのもとに無事帰宅した優美ちゃん。現在は、手術跡を保護する術後服を着て、店長さんと毎日元気に出勤している。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ リュウ)