育休取得を経験した女性 2人に1人が「育休中に転職を検討」
育休取得経験がある女性の半数以上が「育休中に転職を検討」--そんな調査結果がXTalent株式会社(東京都港区)による「育休取得」に関する調査でわかりました。また、転職を検討した理由として最も多く挙げられたのは「働き方(リモート・時短勤務可否等)に不満がある」だったそうです。
調査は、育休取得経験のある全国の女性304人(一般社員55.9%、リーダー以上42.2%)を対象として、2024年8月にインターネットで実施されました。
まず、「復職後の職場のサポートは十分でしたか」と尋ねたところ、「十分」と回答した人は全体の56.1%、「十分ではない」と回答した人は43.9%となりました。
「十分」と回答した人の声には、リモートワークやフレックス勤務など柔軟な働き方の実施に加えて「育休取得の前例がないポジションだったので、試行錯誤しながら業務内容を考えてくれた」「引き継ぎ期間を長めにとってくれた」など、業務量の調整やチームの受け入れ体制の丁寧な構築がポジティブな回答として挙げられました。
一方で、「十分ではない」と回答した人の声としては、「時短にも関わらず、業務量がフルタイムと同じ」「制度はあっても、ワーキングペアレンツに対する理解がなく利用しにくい」などが多く寄せられています。
次に、「育休期間中、転職を考えたことはありましたか」と尋ねたところ、「転職を考えたことがある」と回答した人は全体で57.1%、リーダー以上では56.6%と半数を超えました。
また、「転職を検討した理由」としては、「働き方(リモート・時短勤務可否等)に不満がある」(全体126人、リーダー以上53人)、「昇進・キャリアアップが望めない」(同73人、同30人)などが上位を占めたほか、「給与に不満がある」(同53人、同21人)、「仕事内容に不満がある」(同45人、同19人)といった回答も挙がり、復職後の待遇から転職を検討する人が多いことがわかりました。
最後に、「育休取得後の仕事面での変化」については、「ポジティブな変化があった」と答えた女性管理職は55.0%、「ネガティブな変化があった」と回答した女性管理職は68.2%と、ネガティブな変化がポジティブな変化を13.2ポイント上回る結果となりました。
このような調査結果を踏まえて同社は、「キャリアに意欲的な女性管理職だからこそ、復職後も仕事でチャレンジしたいと思っている人は少なくはありません。しかし、企業側の配慮によって、『復職後に、責任の重い役職や重要な仕事を任されなくなった』といった声は少なくありません」と指摘。
そのうえで、「そういった”行き過ぎた”配慮は、当事者にとって『冷遇』とも捉えられかねず、退職に繋がることも。育休取得後は、企業と働く人のコミュニケーションが非常に重要なことを示唆しているのではないでしょうか」と述べています。