それでも乗り続ける 60代以上の8割が免許の返納予定なし
60代以上の約8割が「免許の返納予定なし」と回答--そんな調査結果が弁護士ドットコム株式会社(東京都港区)による「免許返納に関する実態調査」で明らかになりました。高齢者による交通事故が注目されるなか、運転免許を返納しない理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
調査は、同社が運営するポータルサイト『弁護士ドットコム』の一般会員1055人を対象として、2024年8月~9月の期間にインターネットで実施されました。
その結果、60代以上の回答者(290人)のうち、82.1%が「免許を返納していない(返納予定なし)」と回答。一方、「返納した」は6.2%、「返納する予定」は9.0%にとどまりました。
免許を「返納していない(返納予定なし)」と答えた238人にその理由を尋ねたところ、「運転能力に問題ないと思っている」(58.0%)が最多となったほか、「返納する理由がない」(44.5%)、「代替の移動手段に乏しく生活に困る」(32.8%)、「運転や車が好きだから」(31.9%)といった意見も挙げられました。
他方、70歳以上の親・祖父母(故人を含む)を持つ人に「親・祖父母の返納状況」を尋ねたところ、「全員返納した」が22.8%、「返納した人も返納していない人もいる」が13.8%となりました。一方、「誰も返納していない」と答えた人が31.1%で最も多くなっています。
そこで、「返納した人も返納していない人もいる」「誰も返納していない」と答えた474人に「免許を持っている70歳以上の親・祖父母の今後の返納」について尋ねたところ、「返納させたい」が44.1%、「返納させるつもりはない」は23.0%となりました。
また、免許を「返納させたい理由」については、「事故を起こす可能性があるから」(53.6%)と「高齢者の事故を見て怖くなったから」(46.0%)に回答が集まり、家族が事故にあってしまうことを不安視する声が目立ちました。