「それでも男か!」いじめられた息子を叱責 しかし、高校生相手にペコペコと…W子さんが気づいた「夫の本性」

「男らしさ・女らしさ」という性別に基づく固定観念。近年、その意識に変化が見られますが、「男だから、しっかりしなさい」「女だから、おしとやかにしなさい」といったことを言われた経験がある人は、今でも多いのではないでしょうか。

そんな「男らしさ」を重んじる価値観が、家庭内で問題を引き起こすことがあります。H県在住のW子さんも悩んだひとりです。

■いじめられて泣いている息子に、夫が追い討ち

W子さんは、入学したばかりの長男・T君の交友関係に頭を悩ませていました。穏やかな性格で争いごとを好まないT君は、クラスのいじめっ子にターゲットにされてしまったようなのです。

その日も後ろから蹴られた、と泣いている息子をなだめていると、ちょうど夫が帰宅しました。そこで事情を説明していると、あろうことか、夫は大声で息子を叱責しはじめました。

「それでも男か!ナヨナヨするな!」

びっくりしたのはW子さんです。「ショックを受けた息子はその場で固まり、その後のフォローが大変でした。反論できたら苦労はしないし、性格に関わる部分はどうしようもないと思うんですが…」

■男らしさにこだわる夫

男らしさにこだわる夫は、息子のランドセルの色も黒しか認めず、格闘技が大好きで試合を観戦しに遠征するほど。

「妻である私にも支配的な一面があり、男は稼ぐ、女は家を守るという主張のもと私に専業主婦になることを望みました。でも、もめたくないので従っていたんです」と振り返るW子さん。

ところが、ある日そんな日常をガラッと変える出来事に遭遇したのだそうです。

■え…?高校生相手に…?

「いつものように習い事の送迎のため息子と2人で歩いていると、遠くに夫の姿が見えました。しかし、どうも様子がおかしいので近寄ってよく見ると…高校生くらいのやんちゃそうな男の子に頭をぺこぺこ下げているんです。どうやら帰宅途中に絡まれてしまったようなのですが、いつもの威厳はどこへやら、脂汗を垂らしてヘラヘラして…もう、すごく情けなくなってしまって」

見かねたW子さんが駆け寄り、「何をしてるの!?」と声を掛けたところ、高校生はすぐに立ち去ったそうです。

■夫を見る目が変わった(悪い意味で)

「その後、気まずそうにモゴモゴ言い訳をする夫を見て、なんでこの人の言うことを聞いていたんだろう…と、馬鹿馬鹿しくなりました」とW子さん。

「別に、立ち向かわなかったのを責めているわけではないんです。しかし、息子には泣くな、ナヨナヨするなと叱りつけていたくせに、自分はどうなの?っていうダブルスタンダードに腹が立って。これまでの思いをぶつけて言い負かしてしまったんです」

そして、その日からはなんとなく家庭内の序列が無くなったといいます。

「夫にポンポンと言い返せるようになりました。最近仕事も決めて働き始めたのですが、今のところ文句は言われていませんね…ふふっ」

以前より家庭内の空気は良くなりました、と語るW子さん。結果オーライのようです。

   ◇   ◇

OECDの調査によると、日本は他の先進国に比べて「男らしさ」「女らしさ」に関する固定観念が強い傾向にあるようです。

一方で、内閣府の「男女共同参画に関する世論調査」では、家庭内の役割分担に対する意識は徐々に変化しており、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」と考える人の割合は減少し、2020年には 32.5% となっています(1980年代には50%以上)。

個人が性別に関係なく自分らしく生きることが尊重される社会は、すぐそこまで来ているのかもしれません。

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【出典】

▽ジェンダー意識に関する国際的な比較(OECDデータ)

▽内閣府 男女共同参画に関する世論調査

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