【物流2024年問題】宅配便のドライバー 3人に1人が「仕事に余裕がなくなった」

2024年4月から物流ドライバーの年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されたことにより輸送能力不足、いわゆる「物流の2024年問題」に対して、物流ドライバーにどのような変化があったのでしょうか。ホンダモビリティソリューションズ株式会社(東京都港区)が実施した「ドライバーの仕事」に関する調査によると、2024年4月以降、6割を超える人が「月給にあまり変化はない」、7割を超える人が「労働時間にあまり変化はない」と答えている一方で、「ドライバーの人手が不足するようになった」「仕事時間を細かく管理されるようになった」といった変化を感じている人が見られたそうです。

調査は、ドライバーの仕事をしている全国の20~69歳の男女709人を対象として、2024年8月にインターネットで実施されました。

働き方改革関連法改正が施行された2024年4月以降に、「月給に変化はありましたか」と尋ねたところ、全体の64.8%が「あまり変化はない」と回答。これをドライバー種別にみても、トラックドライバーが66.6%、バス・タクシーのドライバーが59.2%、宅配便のドライバーが64.8%といずれも6割前後となりました。

また、「労働時間の変化」についても、約4人に3人が「あまり変化はない」(74.2%)と答えていることから同社は、「各企業が施行前から整備や管理等の準備をしていたことで、現場への急激な変化は回避されているのでは」と推測しています。

一方、2024年4月以降に「ドライバーの仕事をする中で変化を感じること」について質問したところ、「ドライバーの人手が不足するようになった」(36.4%)や「仕事時間を細かく管理されるようになった」(27.4%)、「仕事に余裕がなくなった」(19.5%)などの意見が上位に挙がりました。

これをドライバー種別にみると、特に宅配便のドライバーで「仕事に余裕がなくなった」(31.5%)という回答が他のドライバーよりも多くなりました。

この結果について同社は、「EC市場の拡大等により、宅配ニーズが高まる中で、人手不足への対策や効率化が急務」と指摘しています。

最後に、ドライバーの仕事をするにあたり、「改善を期待すること」をドライバー種別毎に教えてもらったところ、全ドライバー種で「労働時間に見合った給料にしてほしい」(トラック38.6%、バス・タクシー36.9%、宅配便40.4%)が最多となりました。

また、宅配ドライバーの約3人に1人が「人を増やしてほしい」(33.3%)と回答しており、「仕事に余裕がない」宅配ドライバーが、働き手の増加を切望していることがうかがえる結果となりました。

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