森泉が「大ファン」と公言する自閉症の画家石村嘉成 独特の色彩、ダイナミックな筆致で描く動物たち 兵庫県立美術館で関西初の大規模展
芸能界屈指の「動物好き」を自任するモデルでタレントの森泉さんが、兵庫県立美術館で10月12日(土)から始まる「石村嘉成展~いのちの色たち~」の会場を訪れ、まいどなニュースの単独取材に応じた。嘉成さんの生み出す独創的かつエネルギーあふれる動物の絵の大ファンだという森さんは本展の「公式スペシャルサポーター」を務める。「独特の色彩感覚、動物の顔の斬新な切り取り方や角度…、どれもこれもとにかく素晴らしい。これを機にファンが増えるんじゃないかな」と声を弾ませた。
石村嘉成さんは1994年生まれ、愛媛県新居浜市在住。2歳で自閉症と診断された。小学5年生の時、母の有希子さんが他界。以来、父の和德さんと二人三脚で歩んできたが、高校の授業での版画との出合いが大きな転機に。国内外の絵画賞を相次いで受賞するようになり、その生い立ちやダイナミックな画風で注目を集める。現在はアクリル画をメインに、動物や昆虫、花などの“いのち”を描き続けている。
森さんは数年前、ドキュメンタリー番組を通じて嘉成さんとその作品を知り、“動物好き”として強いシンパシーを感じたという。
「動物って基本的にそれぞれの色のイメージが固定されているけど、実は光の当たり方や見る時間帯、周囲の環境、羽や鱗などでいろんな色があるんです。彼の絵は一見すると驚くような色の組み合わせですが、動物を知り尽くしている感じがする。動物の色って正解があるようでないんですよね。動物好きとしては、そこに感動します」
「嘉成さんの絵には、彼のピュアな感情や優しさ、動物への愛、彼自身が戦ってきた人生など、たくさんの感情が詰まっているのを感じます。今までいろんな絵を見てきましたが、こんな絵はなかなか他にありません」
約290点を一堂に集めた、関西では初となる大規模展。生物の歴史を描いた全長26mにも及ぶ代表作「Animal History」をはじめ、大胆でありながら繊細な色使いと、躍動する筆致で“いのち”を吹き込まれた動物たちの多彩な表情が楽しめる。
母・有希子さんの手紙や肖像画を展示した一角では、子供の頃に最愛の人を失った嘉成さんの思いが垣間見える。
現在、子育て中の森さんは「お父さんも嘉成さんも、もちろん亡くなったお母さんも、きっと大変だったと思うんです。手紙を読んで、ああ母親ってこうだよな、私もこんなに強くなれるかな…と涙が出てきました」。とはいえ、この日、会場で初めて直接会った嘉成さんと父・和德さんは底抜けに明るかった。「温かい言葉を交わしながら、2人で力を合わせて歩んできたんだということがすぐわかった。絵だけじゃなく、2人の人柄からもすごく元気をもらいました。絵を見に来る人たちにも、そんな魅力が伝わればいいな」
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「石村嘉成展~いのちの色たち~」は10月12日(土)から12月8日(日)まで、兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリーで開催。当日一般1500円、中学・高校生1000円、小学生800円。
(まいどなニュース・黒川 裕生)