令和の「瓢箪から駒」!?螺鈿職人が菓子パッケージをデザインすることになった経緯が話題「とりあえず言ってみるもんだ」

「チェルシーwwとか言ってずっとふざけてたら本当にお菓子のパッケージやることになったの控えめに言って奇跡」とXに投稿したのは、螺鈿職人の野村拓也さん(@takuyanomurardn)。投稿には、チェルシーのような柄の容器と森永のクッキーの箱が写っていて、話題になりました。

この投稿を見た人からは、「とりあえず言ってみるもんですね!」「デザインのおかげでより美味しそう」「素敵な言霊ですね」といったコメントが寄せられ、6.6万件の「いいね」を獲得するなど、多くの反響がありました。

野村さんにお話を伺いました。

ーー「チェルシーの柄に似た容器」とは?

「菊の香合の写真をポストしたところ、ある方から『うわ~、これ見たらチェルシー食べたくなった』とコメントをいただきました。それが意外で面白かったので、ふざけてネタにした投稿を定期的にしていたらバズったんです(笑)」

ーーお菓子のパッケージと螺鈿、意外な取り合わせですね。

「そうですね。お菓子のパッケージを作るのは初めてで、不安も大きかったです。特に螺鈿の美しい貝の色味を紙の上で再現するのは非常に難しいと思いました。納期も短く、普通にやっていたら間に合わないかもしれないというプレッシャーもありました。一方で、森永製菓さんの人気商品に自分の作品が載るかもしれないと考えると、ワクワクする気持ちも大きかったです」

ーーどのような工夫を凝らしましたか?

「色々な種類のクッキーがあり、それぞれにモチーフが設定されていました。螺鈿でそれらをどう表現するか、また色味に合う貝の選定も重要でした。アワビがいいのか夜光貝がいいのか、さらには貝のどの部分を使うかまで細かく検討しました」

ーー伝統工芸も時代と共に変化するのでしょうか?

「はい、伝統工芸も元々は『新しいもの』で、それが長い年月使われ続けて伝統になったと考えています。昔のやり方をそのまま続けるのではなく、時代やライフスタイル、手に入る材料に合わせて変化しながら、新しい螺鈿の可能性を追求するのが令和時代の職人だと思っています」

野村さんは、「時代に合わせて伝統工芸も進化し続けるべき」と語りながら、伝統と現代の融合を見事に表現しています。螺鈿という技術を通じて、新しい挑戦に取り組むその姿勢は、多くの人に感動と驚きを届けています。これからも、その美しい作品が多くの笑顔を届けてくれることでしょう。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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