棄てられたシニア犬 経過したセンター収容期限 前脚八の字のキョトン顔でみんなを笑顔にするよ
福岡県内のとあるエリアをひとりぼっちでトボトボと彷徨っていた推定10歳以上のミックス犬のうどんちゃん。ガリガリの体は骨と皮状態でしたが、人馴れしていることから元々は家庭犬としてシニアになるまで人間に寄り添い続けていたように思われました。
うどんちゃんは後に福岡県動物愛護センターに収容され、元飼い主からの名乗りを待ち続けましたが、しばらく経ってもそれらしき連絡はなし。元飼い主から意図的に棄てられたようにも考えられました。
■殺処分寸前でかかった「待った」の声
センターには一定の収容期限があります。この期限内に元飼い主に引き渡すことができなかったり、譲渡先が見つからない場合は殺処分になります。
うどんちゃんも収容期限がオーバー。放っておけば、殺処分対象となるところでしたが、ここで「待った」の声がかかります。地元のボランティアチーム・わんにゃんレスキューはぴねすが、「うちで保護します」と名乗り出て、引き出すことにしたのです。
■前脚八の字・キョトン顔の独特のポーズ
殺処分を免れたうどんちゃんは、保護後すぐに動物病院へ。フィラリア陽性だったほか、後脚の動きが鈍く、付近にヘルニアや関節炎がありました。命に関わる持病ではないものの、以降医療ケアを続けていきながら、うどんちゃんがもう一度元気を取り戻してくれるようお世話し続けることにしました。
うどんちゃんがリラックスするようになってよく見せるポーズが、前脚を八の字にして座り、キョトンとした表情を浮かべるというもの。他のワンコにはなかなかないものですが、この独特の座り方は、一度見ると忘れられないほどかわいいポーズです。
■献身的な医療ケアとたっぷりのエサですっかり元気に
シニアであることから前述の持病の完治には至っていないものの、日々の医療ケアでみるみる改善。団体提携の預かりボランティアさんの家で、栄養価の高いエサをたっぷりもらったおかげで、ふっくらとした体になりました。
そして冒頭のようなキョトン顔で人間を見つめ「なでて」と無言のアピール。その度になでてあげると、気持ち良さそうな表情を浮かべ、そのままウトウトしてしまうことも。
若いワンコに比べれば動きも機敏とはいえず、持病もあるうどんちゃんですが、殺処分の淵から奇跡的に救われた命です。後には、うどんちゃんにとっての「本当の家族」と出会えると良いなと思います。
預かりボランティアさんの家で、今日も前脚八の字・キョトン顔で過ごすうどんちゃん。近い将来さらなる幸せを掴み、穏やかな余生を送ってほしいものですね。
(まいどなニュース特約・松田 義人)