【おむすび】“伝説のカリスマギャル”を演じる仲里依紗、役への思い語る 「実は良いお姉さん」「ギャルのイメージをプラスに変えたい」
10月18日に放送された連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合ほか)第15回のラストシーンで、結(橋本環奈)の姉で元カリスマギャルの歩(仲里依紗)が東京から突然米田家に帰ってきた。本日(21日)放送の第16回では、歩の奔放な振る舞いに、結が感情を爆発させた。今後も波乱の展開が予想されるが、どうやら歩も人知れず心に傷を抱えているようだ。そんななか、歩を演じる仲里依紗から、コメントが届いた。
■「『早くお家に帰ってごはんを食べよう』という気になるドラマ」
『エール』(2020年前期)に続いて2作目の出演となる朝ドラと、根本ノンジ氏が手がける脚本を読んでの印象について、仲はこう語る。
「最初にお話をいただいたときは、“伝説のギャル”役だと、ざっくりしたことしか聞いていなかったので、どういうことなんだろうって(笑)。『本当に、朝ドラなのかな?』と、謎は深まる一方だったんですけれど、台本を読んでいくと、今この時代だから皆さんに届けられるメッセージが込められている朝ドラだなと思いました。朝ドラは時代ものが多いイメージだったんですけど、今回は幅広い世代にとって記憶に新しい平成が舞台というチャレンジングなものなので、より若い世代にどんどん広がればいいなと思っています」
「『おむすび』のタイトル通り、早くお家に帰ってごはんを食べようという気になるというか、家族と食卓を囲むことの大切さを思い出せて、食育としてもいいなと思える作品です」
『おむすび』の現在の時代設定は平成16(2004)年。主人公の結は平成元年生まれという設定だが、仲自身も平成元年生まれだという。自身が演じる米田歩という役どころについて、こう分析する。
「歩はその名前の通り、自分の道を歩んでいるなと、演じていて感じます。家族とのつながりを主人公の結が結んでいくなら、歩は我が道を行くというか、長女らしからぬ、どんどん進んでいっている感じです。抱えているものはあるんですけど、それを跳ね返すような明るさもある。登場シーンでは、『何だ、この子は?』と思うくらい明るかったりするんです。心がちょっと負けそうなときって、逆に明るくしちゃうことが、私自身にもあります。多分、歩にもそういう感覚があるんじゃないかと感じています」
「歩は平成を生きてきた年代で、私自身も平成元年に生まれたので、演じながら歩と共に成長してきた感覚もあります。歩は“伝説のギャル”と言われていますが、外見とか、そういうものだけじゃないんですよね。歩の人間性だったり、歩自身が周囲の人に与えた影響だったりが、ギャルの中で噂とあいまって伝説になっていたんだんだろうなと思っています」
■物語のキーパーソン、歩の今後は…
また、物語の鍵となる歩と結の姉妹関係について、
「いろいろな姉の行動で、結は苦しめられてきたと思います。結と歩は性格的にも全く違うし、本当に嫌な部分もあったでしょう。でも、どこかで歩を羨ましく思う気持ちが結にはあるんじゃないかと思います。妹が姉に思うことだったり、姉が妹に思うことだったりは、私も実際に三姉妹だからわかるんです。姉は姉で、妹っていいなと思うんですよ。でも、妹は絶対に『お姉ちゃんばっかり』『お姉ちゃんのせいで』と思っていると思います。どこの姉妹でも起こりうることだと思うので、歩にとっても、結は羨ましい存在でもあるし、ちょっと面倒くさいなと思うこともあったり…それでも、すごく大切な存在なのだと思います」
「両親との関係性とはまた違った大切さですよね。特に妹の結とのシーンはお姉ちゃんらしさが出ていると思います。派手だし、飛び回るし、はたから見たらそう見えないかもしれないけれど(笑)、歩は結の道をしっかり作ってあげたいと思っている、良いお姉さんだと思います」
とコメント。今後の展開としては、一見したところではわからない、歩と結が心の奥底に抱く思いが見どころとなっていきそうだ。歩と結の生き方に深く関わってくる「ギャル」については、
「“伝説のギャル”という役柄ですが、なぜ歩がギャルになったのか、その経緯の部分をぜひ視聴者の方に注目していただきたいです。この作品で私はギャルのイメージをポジティブに変えたいなと思っているんです。ギャルというと見た目がすごく派手で、ネガティブなイメージを持っている人もいると思います。でもギャルは部屋、服装、ネイルを見ても、全部自分のためにやっているんです。自分の機嫌は自分で取る。見て下さる方々に、誰のためでもなく、自分がベストでいられることの大切さが伝わればいいなと思います。上の世代の方にも、『人は見た目によらない。ギャルもすっごく良いじゃん!』と思ってもらえるきっかけになってほしいです」
と思いを語る。最後に、視聴者にメッセージをもらった。
「また、これから阪神・淡路大震災当時についても描かれていきます。当時被災された方だけでなく、その後に東日本大震災や能登半島地震などもあり、思い出したくない方もいらっしゃると思います。どう伝えたらいいんだろうと悩む部分もありますが、こういうことがあったと伝えなきゃいけないし、忘れてはいけないと思うんです。災害は、忘れた頃に来るじゃないですか。また同じようなことが起こるかもしれないし、日本に住んでいる以上、付き合っていかないといけない。皆さんが改めて考えるきっかけになれば、と思っています」
放送中の第4週「うちとお姉ちゃん」では、歩と結、そして米田家の人々の心模様が描かれ、糸島フェスティバルで結たちが踊るパラパラなど、「糸島編」の最初のクライマックスが待っているという。
(まいどなニュース特約・佐野 華英)