「入場は母親と」「誓いのキスは家族で」「ファーストバイトは実施しない」 “令和の結婚式”の当たり前って?

昨今では、従来の結婚式や演出が見直され、現代の多様な価値観に沿った内容に変わってきているといいます。株式会社トキハナ(東京都港区)が実施した調査によると、挙式入場は「父親と歩く」のほかに「母親」や「家族」と入場する新たなスタイルの選択肢がみられるなど、令和世代の結婚式はより柔軟で多様な価値観に対応したものへと変化していることがわかりました。

調査は、2023年4月以降に結婚式をした、もしくはする予定の全国の20~30代の男女334人を対象として、2024年9月にインターネットで実施されました。

まず、「挙式入場」について聞いたところ、従来の伝統的なスタイルである「父親と歩く」(51.8%)が最多となった一方、「母親」(45.2%)や、「家族」(27.2%)と入場する新たなスタイルの選択肢もみられました。

また、定番の「誓いのキス」は、全体の82.3%が「パートナー」と行っているものの、26.0%が「家族(子ども等)」と行うなど、個々の価値観に沿った形で行っている人もみられます。

さらに、“幸せのおすそ分け”として定番の「ブーケトス」(62.9%)では、依然として多くのカップルが実施している一方で、「プレゼントトス」(36.8%)など、ゲスト全員が参加できる新しい演出も増えつつあることもうかがえました。

続けて、従来、新郎のみが行うのが一般的だった「ウエルカムスピーチ」について聞いたところ、現在では「新郎新婦」(59.9%)で行うスタイルが最も多くなっており、式の開始から2人の個性を反映する傾向が強まっていることがわかります。

また、上司(32.0%)や恩師(40.7%)に依頼するスタイルが一般的だった「祝辞・乾杯の挨拶」では、少人数婚など身内のみで結婚式を行うケースが増えていることから、現在では「家族」(32.3%)や「親友」(20.7%)に依頼するスタイルも多くなっています。

さらに、披露宴での「ケーキカット」(56.0%)は半数以上が実施している一方、ウエディングケーキに入刀をした後、互いにケーキを食べさせ合う「ファーストバイト」では65.9%が「実施しない」と回答。

代わりに、新郎新婦が親やお世話になった人に感謝の気持ちを込めてケーキを食べさせる「サンクスバイト」(14.7%)などのオリジナリティある演出も一定数みられており、伝統的なケーキセレモニーに限らず、感謝の気持ちを表現する場としての演出になっていることがわかりました。

次に、「余興」について聞いたところ、「バンド演奏」(42.2%)や「ダンス」(37.7%)など、結婚式の盛り上げ方にバリエーションがみられる一方で、「余興はなし」と答えた人が12.0%と、ゲストとの歓談時間をメインにするスタイルを選ぶ人も一定数いることがうかがえました。

また、「手紙朗読」については、感動的な演出として依然高い人気を誇っており、従来の「新婦のみが朗読」(38.0%)が最多となっているものの、「新郎新婦」(29.6%)や「新郎のみ」(19.1%)が読み上げるスタイルも増加していることから、「手紙朗読」は新婦に限らず、両者が感謝の気持ちを共有する場として新たな価値を持ち始めている様子が見て取れました。

これらの調査結果のように、従来の固定観念や慣習に基づく演出が、令和時代に入って見直されつつあります。

全国の20代~40代の男女317人を対象にした調査によると、「結婚式で慣習的な演出を取り入れたくない」と考えている人は半数以上となり、現代のカップルが自分たちのスタイルを大切にし、より自由な結婚式を求めていることがわかったそうです。

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