スーパーで見かけた子猫…心配になって「戻らなきゃ!」 譲渡するつもりが家族の一員に、家もDIYで猫仕様に

香川県に住むTさん一家にとって、2020年12月20日は忘れられない一日となりました。その日、Tさん夫妻はスーパーの駐車場で小さな猫を見かけました。仕事の用事があり一度その場を離れたものの、奥さんはその猫のことが頭から離れず、落ち着きを失ってしまうほど心配していました。Tさんもその強い気持ちを感じ取り、妻の「戻らなきゃ!」という訴えに従い、再び猫を探しに戻ることに。

その後、スーパー向かいの建物の隙間に入り込んでいたその猫を、心配そうにしていた2人の女子大生と一緒に保護。警察に一度預けたものの、保健所行きになる可能性が高いと聞かされ、Tさん夫妻はすぐに「預かりましょう」と決断しました。

その小さな猫、紡(つむぎ)ちゃんは当時生後約2ヶ月。体は汚れ、ノミやダニがたくさんついており、衰弱していました。家に連れて帰ったその日、丁寧に体を洗うと、疲れ切ったのか、すぐにぐっすりと眠り始めたそうです。「こんな小さな体でよく頑張って生き抜いたね」とTさんは当時を振り返り、目に涙を浮かべます。

実は、Tさんは、最初は紡ちゃんを譲渡するつもりでした。パピヨンという小型犬を飼っていたからです。しかし、3週間も一緒にいると、すっかりうちの子になってしまったと言います。

名前は保護の際に一緒にいた女子大生がつけてくれました。「縁や出会いを紡いでくれるように」という願いを込めて「紡」と名付けられたその名は、まさに彼女の人生そのもの。愛情を紡いでくれる存在となった紡ちゃんは、今では4歳になり、すっかり元気な女の子に成長しました。

紡ちゃんの性格は、甘えん坊でありながらも少しツンデレな一面もあります。自分から甘えてきてお尻をポンポンしてもらいたがるのに、突然シャーッと威嚇してガブッと噛みつく、そんないたずらっぽい行動もTさん一家にとっては愛らしい魅力のひとつです。

今では、先住の2匹の犬とも仲良く暮らし、Tさんのお宅は完全に「猫ファースト」なDIYが施された快適な空間へと変わりました。「紡ちゃんが来てから、家族全員がよりいっそう楽しい日々を送っています。家もすっかり猫のための空間になってしまいましたが、それもまた幸せですね」とTさんは笑顔で話してくれました。

縁を紡いでくれた紡ちゃんは、これからもTさん一家に温かい笑顔を届け続けることでしょう。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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