【知ってた?】車庫証明シールが廃止へ 警察のシステム進化、違法駐車減少で決定

2024年5月、保管場所標章の廃止が決定しました。ここでは廃止のタイミングや理由、消費者のメリット、保管場所標章の剥がし方などを解説します。

■保管場所標章は2025年5月までに廃止

2024年5月17日、参院本会議で「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」の改正案が可決・成立。これにより、保管場所標章(車庫証明シール)の廃止が決定しました。

同月24日には改正法が公布され、実際の施行は公布から1年以内とされています。つまり保管場所標章の貼り付け義務は、遅くとも2025年5月までになくなります。

▽車庫証明制度自体は継続

保管場所標章は、車庫証明書の発行時に交付されるシールです。今回、車庫法の改正により保管場所標章の交付は廃止されますが、車庫証明の義務自体がなくなる訳ではありません。クルマの購入時や引越しで保管場所が変わった際は、今後も警察署で保管場所の届出を行い、車庫証明書を発行する必要があります。

※軽自動車は、自治体により対応が異なります。

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■そもそも保管場所標章とは

保管場所標章とは、そのクルマが「法的に認められた駐車場所を確保している」ことを証明する円形のシールです。車庫証明を取得した際に交付されるため、消費者からは「車庫証明シール」とも呼ばれています。

保管場所標章には9桁の標章番号、保管場所の位置(都道府県・市町村名)、発行元の警察署長が記載されています。

▽違法駐車抑制のため1991年に義務化

そもそも保管場所標章が誕生した理由は、違法駐車の横行でした。高度経済成長期には、クルマの数が増加。特に都市部では、人口増加もあって駐車場の数が不足し、違法駐車が激増しました。

この取り締まりに向け、1962年に始まったのが車庫証明制度です。しかし、これだけでは十分な効果を得られず、1991年に保管場所標章が導入されました。警察は保管場所標章の有無で「車庫証明を取得しているか否か」を見分けられ、さらに標章の記載情報から所有者や保管場所の照会もできました。

■保管場所標章が廃止される理由

保管場所標章の廃止が決定したのは、警察のチェックシステムの改善が主な理由です。また、違法駐車が減少したことも理由の一つと考えられています。

▽理由(1)警察のチェックシステムの改善

警察が路上駐車されている車両を発見した場合、かつては保管場所標章から所有者などの照会を行う必要がありました。

しかし2023年初頭には、車両の保管場所情報に関するデータベースの整備が完了。現在はナンバープレートの情報だけで保管場所情報の確認が可能であり、保管場所標章が不要になりました。

▽理由(2)違法駐車の減少

違法駐車の件数は、年々減少傾向にあります。都市部を中心とした駐車場の整備や、駐車監視員の導入が一定の効果を発揮していると考えられます。

■廃止による消費者のメリット

保管場所標章の廃止は、以下のように消費者にもメリットがあります。

・発行手数料(500円)が不要になる

・貼る/剥がす手間がなくなる

・シールの跡が残ることもなくなる

保管場所標章の廃止で、消費者はわずかながらも経済的負担を抑えられます。また、引越しなどで保管場所標章を貼りかえる際、跡が残るとショックな人が多いでしょう。廃止されれば、そういった心配もありません。

■保管場所標章の剥がし方

引越しなどで保管場所標章を貼りかえる、あるいは改正法施行となった際に向けて、保管場所標章をキレイに剥がす方法を解説します。

▽用意するもの

保管場所標章をキレイに剥がすためには、以下のものを準備しましょう。

・霧吹き(水を入れておく)

・スクレーパー

・シール剥がし剤

・ウエスまたはペーパータオル

スクレーパーとは、へら状の刃がついた工具です。ホームセンターなどで、シール剥がし剤とともに買うと良いでしょう。シール剥がし剤は、容量の小さいものなら100円ショップでも購入できます。

▽剥がし方の手順

剥がし方の手順は、以下の通りです。

・霧吹きでシール全体に水をかける

・端からスクレーパーを差し込み、指も使ってシールを剥がす

・紙部分が残っていたら、手順1と2の方法で剥がす

・糊部分だけになったら、水分をふき取る

・糊部分にシール剥がし剤を吹きかける

・ウエスやペーパータオルで糊をふき取る

作業前にシールを濡らすのは、少しでもシールを柔らかくし、ガラス面を傷つけないようにするためです。絶対必要とは言いませんが、キレイに剥がしたいのであれば準備しましょう。

■保管場所標章に関するQ&A

▽Q. 保管場所標章はどこに貼る?

保管場所標章は、車両のリアガラスに貼るのが原則です。後ろから見たときに、見えやすいようにする必要があります。

▽Q. 保管場所標章を貼らないとどうなる?

改正法の施行までは、保管場所標章の貼り付けは義務となっています。しかし貼らないことに対する罰則や罰金は定められておらず、違反点数もありません。

ただし車庫証明の取得(保管場所の届出)を怠った場合、10万円以下の罰金が科されます。また、虚偽の保管場所を届け出た場合は20万円以下の罰金が科されます。

▽Q. 車庫証明と保管場所標章の違いは?

車庫証明は、クルマの取得前後に警察に届け出をして、その車両の駐車場所を申請するものです。申請手続きを行い、認められると車庫証明書が発行されます。車庫証明書は、クルマの新規登録や移転登録で必要です。

一方、保管場所標章は車庫証明の取得後に交付されるシールです。車両の後方に貼り付け、車庫証明を取得済みであることを証明します。

(まいどなニュース/norico)

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