「ミャーミャー」→「わかった! うちに来い!」 釣り場に突然現れたボロボロの子猫…体によじ登って助けを求める姿に胸を打たれて保護

元保護猫の「ナツ」ちゃん(保護時、生後推定3~4カ月)とX(旧Twitter)ユーザーの飼い主・おしけん(@oshikenhalnatsu)さんとの出会いは、まさに運命的でした。

2016年の8月、おしけんさんが川で釣りをしていたとき、どこからか「ミャーミャー」と鳴き声が聞こえてきました。思わず、鳴き声に応じてみると、薮の中から姿を現したのは痩せ細った子猫。おしけんさんの膝や背中に登るなど、無邪気ながらも懸命にアピールを続けるその様子に、次第に心を動かされていきました。

やがて、子猫は誤って川にドボンと落下。おしけんさんは、すぐに助け出します。そのあきらめない姿に根負けし、「もうわかった! うちに来い!」と声をかけると、子猫はそれを理解したようにおしけんさんの車へ自ら乗り込みました。

そして運転が始まると、安心したのか膝の上で丸くなり、すやすやと眠り始めたのです。この瞬間が、ナツちゃんとおしけんさんの新しい生活の幕開けとなりました。

■苦労を乗り越え、新しい家族と共に幸せに

ナツちゃんの保護当時、その状態は決して良好とは言えませんでした。骨と皮だけのような痩せた体に、多くのノミが付いており、険しい目つきをしていたといいます。

おしけんさんの家に到着後、まずはナツちゃんをお風呂で綺麗に洗い、ドライヤーで乾かすなど細やかなケアが施されました。その後、動物病院へ。晴れておしけんさん家族の一員となりました。

それから約1年が経つ頃には、ナツちゃんは驚くほど回復。体重も増し、表情も穏やかになっていきました。最初は不安そうだったナツちゃんも、徐々に家族と心を通わせ、健康で幸せな日々を送るようになったのです。

ナツちゃんとの出会いについて、おしけんさんは「ナツがあの時私の前に現れ、そして体によじ登るなど猛アピールをしたのは、一世一代の大勝負に出たように感じます」と振り返ります。

それまでは犬派だったというおしけんさんですが、ナツちゃんの粘り強さと人懐こさに心を動かされたのです。ナツちゃんが示した必死のアピールが、新たな絆を生んだと言えるでしょう。

今、ナツちゃんはおしけんさんに見守られ、穏やかな毎日を送っています。夜は飼い主の腕枕で熟睡し、朝方になると「ごはんちょうだい」と可愛らしいおねだりをするのが日課。また、飼い主の外出を察するとちょっかいを出し、帰宅時にはお出迎えをしてくれるなど、おしけんさんとともに幸せな生活を楽しんでいます。

■命の尊さと日々の感謝

ナツちゃんが家族になってから8年が経ち、その存在は、おしけんさんにとっても大きな意味を持つようになりました。

「もしもあの時、ナツが私に出会わなければ、今ここにいないかもしれません」と振り返ります。二人の絆は、互いに命の尊さや日々の喜びを教えてくれるものになったのです。

どうぶつとの暮らしを通して、無償の愛や癒やしを与えてもらっていると感じる人は少くないでしょう。

今、ナツちゃんは、おしけんさんの人生に彩りと温もりを与える存在となりました。そこには、おしけんさんへの深い感謝が込められているようにも感じます。

ふたりが出会った奇跡のような瞬間は、大切な思い出となり、これからもともに歩んでいく力となることでしょう。

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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