子どもの最終学歴、どこまでなら満足するか 親側の中学受験組と高校受験組で違いが?
家計診断・相談サービス『オカネコ』を運営する株式会社400F(東京都中央区)は、このほど「オカネコ 中学受験と高校受験の意向調査」の結果を発表しました。同調査によると、受験にかかる費用の平均額は、中学受験で「約148万円」、高校受験で「約86万円」となり、「約62万円」の差があることがわかりました。
調査は全国の同サービスユーザー男女605人を対象として、2024年9月にインターネットで実施されました。
子どもの中学受験・高校受験を経験したと回答した保護者に「受験にかかった費用の総額(塾代・受験料等、入学金を除く)」を教えてもらったところ、中学受験費用は「50万円未満」(21.0%)、「50万円以上100万円未満」(17.0%)などに回答が集まったものの、「400万円以上」(9.0%)という人も一定数いることがわかりました。
一方で、高校受験費用では「50万円未満」(36.1%)、「50万円以上100万円未満」(24.8%)などが上位となり、全体の6割が100万円以内に。平均額は中学受験で「約148万円」、高校受験で「約86万円」と「約62万円」の差がみられ、中学受験の費用負担が高校受験に比べより高くなっていることがわかりました。
この結果について同社は、「中学受験は高校受験よりも塾に通うことのできる期間が長いため塾代が高くかかった可能性や、首都圏の受験出願校数の平均は中学受験では7校、高校受験では一般的に3~4校と言われており約2倍の差分が費用差に影響したことが考えられます」とコメントしています。
続けて、「受験費用の捻出方法」について尋ねたところ、中学受験を経験した保護者は「貯金」(67.1%)、「家計費の見直し・節約」(40.0%)などが上位となった一方、高校受験を経験した保護者は「貯金」(72.6%)、「学資保険」(31.5%)、「家計費の見直し・節約」(25.3%)の順に多い結果となり、中学受験・高校受験双方で従来通りの準備方法が多数を占めていることがわかります。
そのほか、「NISA等の資産運用」(中学受験17.1%、高校受験6.2%)では約3倍の差があることが明らかに。さらに、「収入を増やす(働き方を変える/副業など)」(同18.6%、同11.6%)も挙げられたことから、新たな費用捻出において「攻め」のNISA等の資産運用や収入を増やすための転職や副業などと、「守り」の家計の見直し・節約と双方からのアプローチに積極的に動いていることがうかがえました。
また、「中学・高校受験における、想定外の出費があった」と答えた保護者は22.7%。具体的には「塾の夏期講習・冬期講習などの特別な会費。それぞれ5万以上かかって驚いた」「併願の私立高校入学金」「合宿費」といった意見が寄せられたほか、「そもそも中学受験が想定外だった」という声も聞かれました。
次に、「子どもの最終学歴をどこまで望みますか」と聞いたところ、中学受験を経験した保護者は「国公立大学・文系」(17.6%)、高校受験を経験者した保護者は「私立大学:文系」(18.7%)が最多となりました。
中学受験を経験した保護者と高校受験を経験者した保護者で大きな差がみられた回答は「海外大学院」で、中学受験を経験した保護者が8.4%となっており、高校受験を経験した保護者の0.6%を大きく上回っています。
最後に、「子どもの中学校入学以降の教育費用の見積もりはいくらですか」と尋ねたところ、中学受験を経験した保護者は「1000万円以上」(17.0%)が最多となったのに対して、高校受験を経験した保護者では「50万円以上100万円未満」(11.9%)が最多となり、平均額は、中学受験を経験した保護者で「約550万円」、高校受験を経験した保護者では「約365万円」となり、差額は約185万円となりました。
一方で「わからない」と答えた割合が、中学受験を経験した保護者は20.0%、高校受験を経験した保護者は26.7%となり、教育費用の予測をすることが難しい状況が浮き彫りになりました。
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【出典】
▽家計診断・相談サービス「オカネコ」調べ