この10年間で「最も残業時間を減らした企業」 1位は月78時間減の「船井総研」…TOP3をコンサル会社が独占
国の旗振りや、企業と個人の意識の変化も相まって残業時間は年々減少傾向にあります。社員クチコミサイト『OpenWork』を運営するオープンワーク株式会社(東京都渋谷区)が、このほど発表した「10年間で最も残業時間を減らした企業ランキング」によると、ひと月あたりの残業時間が77.89時間減の「船井総研」が1位となり、TOP3は全てコンサルティング会社が占める結果となったそうです。
同ランキングは、同サイトに投稿された会社評価レポート12万6848件(現職社員による2015年及び2024年投稿分)を集計し、2015年と2024年(1~9月)それぞれの平均残業時間を比較しランキング化したといいます。
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その結果、「10年間で最も残業時間を減らした企業ランキング」は、1位「船井総研」(77.89時間減)、2位「フューチャー」(74.42時間減)、3位「デロイト トーマツ コンサルティング」(54.01時間減)、4位「博報堂プロダクツ」(46.76時間減)、5位「大樹生命保険」(43.41時間減)と、上位3社がコンサルティング会社という結果となりました。
激務のイメージがあるコンサルティング会社に共通するのが、元々の残業時間の長さで、1位の船井総研と2位のフューチャーに投稿された2015年の平均残業時間は月100時間を超えていましたが、いずれも10年間で70時間以上の削減となりました。
上位のコンサルティング会社のクチコミを見ていくと、クライアントやプロジェクトによってワーク・ライフ・バランスが大きく左右される中で、企業として長時間労働の是正に取り組んでいることや、個人の裁量によって調整可能であることなどがうかがえます。
【残業時間に関するクチコミ】
▽クライアントワークのため、お客様に合わせて動かざるを得ない点で調整はしにくいと考える。チームリーダー以上になれば自分でスケジュールを決められるため、多少は調整しやすいと思う。独り立ちしていない社員は、先輩の都合に合わせて動くためスケジュールを調整しにくい(女性/船井総合研究所)
▽リーダー層だと家庭を持つ方も多いが、離席して家庭の用事を済ませつつ仕事をするといったことも可能になっており、比較的バランスはとりやすくなっている。また労働時間の削減にも力を入れており、残業時間に関しては厳しく注意されることも多い。やることさえやっていれば朝遅く起きて夜遅くまで仕事するも、朝早く起きて早い時間に退勤するも個人の自由といった雰囲気(男性/フューチャー)
▽近年特にスタッフ層の働き方改革が進んでおり、5~6年前と比較すると断然業務時間が減り、休暇も取りやすくなっている(女性/デロイト トーマツ コンサルティング)
▽残業時間の管理は(上司の方針にもよるが)厳格に管理されているため、法外な残業時間になることはない。だが一部では残業の多いプロジェクトも存在するため、配属されたチーム次第だと思っていたほうがよい(女性/アクセンチュア)
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また、コロナ禍により多くの企業でリモートワークやフレックスタイムの導入が進められ、個人の裁量で業務時間を調整できるようになったことで、不必要な残業が減り、プライベートとの両立がしやすくなったという声がランクイン企業のクチコミからも見られました。
一方、リモートワークによって働きやすさが向上したことで、プライベートとの境目が曖昧になる、いつでも働けることが長時間労働につながるという声も散見されました。
【リモートワークに関するクチコミ】
▽プロジェクトによっては、ほとんど出社せずに勤務することが可能。また、コアタイムなしのフレックスを採用しているため、時間の調整はしやすいと感じる。特に現在子育て中の社員は恩恵を感じているのではないかと思う(女性/PwCコンサルティング合同会社)
▽昨今では、リモート業務のスタイルが定着して、過度な残業などはかなり減っている。休日等の作業や業務もあることはあるが、かつてほど長時間労働の常態化はなくなってきている(男性/博報堂)
▽コロナで働き方が見直され在宅ワークが増えた。時差出勤も可能になり、出社しても在宅でも勤務が可能になり働きやすくなった。ただ部署によって、出社しないと仕事ができない部署とフルリモートでも仕事ができる部署があり不平等感はある(女性/三井住友信託銀行)
▽昨今のリモート環境下ではついつい就業時間外でも仕事に手を付けてしまいがちで、プライベートとの線引きが難しくなっているように感じる。通勤時間がないというのはラクである反面切り替えの難しさに繋がっていると思う(男性/日本アイ・ビー・エム)
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