孤食の寂しさ、紛らすため? 若年層の8割がスマホ見ながら飯 「食事が作業的になっていると感じる」
若者の約8割が「スマホを見ながら食事をしている」と回答--そんな調査結果が味の素株式会社(東京都中央区)による「一人で食事をする際の味覚」に関する調査でわかりました。また、スマホを見ながら食事をする理由としては、「食事中の時間を有効活用したい」が最多となりました。
調査は、全国の15~59歳の一人暮らしの男女500人を対象として、2024年10月にインターネットで実施されました。
その結果、一人で食事をする際に「スマホを見ながら食事をしている」と回答した人は、10~20代で77.5%となり、30~50代(48.6%)の約1.6倍にもなることがわかりました。
さらに、「スマホを見ながら食事をする頻度」を聞いたところ、「毎日」と「ほとんど毎日」を合わせて62.5%となり、若者の多くに「スマホ見ながら飯」が定着していることがうかがえました。
「スマホを見ながら食事をしている」と答えた10~20代の人に「スマホを見ながら食事をする理由」を尋ねたところ、「食事中の時間を有効活用したい」(34.1%)や「食事中に退屈しないため」(27.7%)などが上位となったほか、「一人の食事がさみしい」(26.4%)、「スマホをいじることが習慣化してしまっている」(21.9%)といった回答も挙がりました。
また、「スマホを見ながら食事をしている」と答えた10~20代の人のうち、46.4%が「スマホを操作・視聴をしながら食事をする際に味わって食事ができていない」と回答。
その一方で、61.0%が「一人の時に比べて誰かと食事をしているほうが味わって食べる意識はある」、61.5%が「誰かと食事をしているときのほうが食事の満足度が高い」と答えています。
さらに、スマホを見ながら食事をしている際に「ついスマホの操作、視聴に集中してしまうことがあると感じる」と回答した割合は、10代で82.5%、20代で78.7%となりました。
そこで、「”スマホ見ながら飯”をしている際に感じていること」を聞いたところ、「ついだらだら食べてしまっている」(69.6%)、「食事が作業的になっていると感じる」(56.1%)、「満腹感を感じにくく、つい食べ過ぎてしまう」(49.0%)といった意見が挙げられ、食事に集中できていない様子がうかがえました。
次に、スマホの操作・視聴を一切していない時の食事の平均時間と、スマホを見ながらの食事をする平均時間を比較した結果、スマホの操作・視聴を一切していない時は10代が平均「18.3分」、20代が「15.5分」だったのに対して、”スマホ見ながら飯”では10代が「20.3分」、20代が「20.6分」となり、”スマホ見ながら飯”のほうが食事スピードが遅くなることが明らかになりました。
ちなみに、「一人で食事を取る際、音楽やラジオを聴きながら食事をすることがある」と答えた人は全体の35.2%。そのうち、「音楽やポッドキャスト、ラジオを聴いて食事をするときは食事に集中している・味わっていると感じる」と答えた人が67.6%となりました。
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これらの調査結果を踏まえて早稲田大学スポーツ科学学術院の林直亨教授は、「一人での食事であっても、食事を単なる栄養摂取と捉えるのではなく、目の前の食事を楽しめる環境を築く意識を持つことが、健康的なライフスタイルにつながるのではないか」とコメントしています。