バンドが巻き付き瞬時に不審者拘束 防犯グッズメーカーが警察と共同開発 進化型さすまたが話題

進化型さすまたがSNS上で話題になっています。

不審者対策用の防犯器具「さすまた」が学校などに配備されていますが、襲い掛かってくる相手を取り押さえられるのか…?と不安に思う人も多いのでは。

栃木県真岡市の防犯グッズメーカー、佐野機工が投稿した新型さすまたは、先端のバンドが巻き付き瞬間的に不審者を拘束、安全に避難できるなど、これなら大切な人を守れるかも?と自信が湧くような仕組みです。開発した代表取締役社長、佐野仗侊さんに話を聞きました。

◇ ◇

ーー従来のさすまたの問題点とは?

佐野:使用者の力が弱いと簡単に負けてしまうこと、壁のないスペースでは使いにくいこと、押さえつけた後も不審者から離れられない、などです。基本的に腕力や技術が必要で、一般の方が暴れる不審者を取り押さえ続けるのは非常に困難でした。

ーー従来のさすまたと違うポイントは。

佐野:今回ポストした4種類の防犯製品は、従来のさすまたの弱点を払拭することを目的として栃木県警察と共同開発し、「警察庁長官賞」を受賞しました。

【ケルベロス】

先端にあるバンド状の「ケルベロス」が不審者に瞬間的に巻きつき、本体から分離し拘束。不審者から離れ避難することができる。さらに壁のないオープンスペースで使用できる。

【不動】

先端の小型バンドが不審者の「腕・脚」を瞬間的に拘束。ケルベロスを小さくしたような製品ですが、分離せず本体とロープで繋がっている。小型・軽量のため女性が多い施設などで使用される。

【弁慶】

従来のさすまたを小型・軽量化し、不審者側からコントロールしにくい形状に設計した多機能な新型さすまた。ケルベロスや不動と組み合わせて導入いただくことが多い。

【オロチ】

ケルベロスのバンド部分のみを小型にした製品。上記の製品で取り押さえた上で不審者の「手足」を拘束。警察が到着するまで安全に待機することを目的に開発した製品です。

ーーとっさに使いこなせる自信がありません。

佐野:簡単に使える防犯製品ではありますが、練習は必須です。緊迫した状況で冷静な判断や行動は非常に難しいので、訓練は重要です。訓練内容もマンネリ化しないよう、さまざまな状況を想定し毎回シチュエーションを変化させるのが有効。いずれの商品も不審者1人に対して複数人が複数防犯製品を使って対応するのが基本なので、チームワークも必要です。設置場所は倉庫や棚の奥など、すぐに取り出せない場所にしまっておくのは厳禁。不審者がいると取り出せないような場所や、先に不審者に取られてしまうような場所もNGです。

ーー心構え、普段から必要な備えは?

佐野:「自分のところは大丈夫」と思わずに、万が一に備えて日常的に訓練を行っていただきたい。施設の全員が不審者対応マニュアルを共有・把握し、まず第一に避難、避難誘導のシミュレーションと、万一に備え全員が防犯製品を使える状況にしておくことが大切です。

◇ ◇

SNSでは「学校に設置したい」「力任せじゃないとこが素晴らしい」などの反響が寄せられました。なお、佐野機工が販売するさすまたは基本的に個人への販売は行っておらず、悪用防止のため全てシリアルナンバーで管理されています。さらに訓練や設置場所の相談、メンテナンスも可能とのこと。準備を万全に、いざという時のために備えたいものですね。

(まいどなニュース特約・ゆきほ)

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