医師が「転職したい」と思ったタイミング 3位:休息を取れず疲れを感じた時、2位:勤務の時間的拘束が長い…では1位は
医師が「転職したい」と思ったきっかけはどのようなものがあるのでしょうか。株式会社メディウェル(札幌市中央区)が実施した「医師の転職傾向」に関する調査によると「年収・待遇面で不満を感じたとき」が最多となりました。また、前回の転職活動については、約9割が「満足している」と回答したそうです。
調査は、同社の会員医師1205人を対象として、2024年8月にインターネットで実施されました。
まず、「今までの転職回数」を教えてもらったところ、「1回」(27.5%)や「2回」(20.5%)に回答が集まり、「転職経験あり」と回答した人は合わせて7割超、「2回以上」の転職経験者も4割を超え、回答者が転職支援サービスを提供する同サービスの会員医師である点を踏まえても、多くの医師が転職を経験していることがわかりました。一方、「0回」(27.5%)という人も多くみられました。
「転職回数」を年代別に見ると、30代を境に「0回」の医師の割合が大きく減少しており、初めての転職に踏み切る医師が最も多いのは30代(33.6%)であることがわかりました。
次に、「転職したいと思ったきっかけ」を転職未経験の医師、転職経験のある医師それぞれに尋ねたところ、転職未経験の医師は「年収・待遇面で不満を感じたとき」(58.9%)が最多に。次いで「勤務の時間的拘束が長いと感じたとき」(42.4%)、「休息を取れず心身の疲れを感じたとき」(41.6%)と続きました。
また、転職経験のある医師も同様に「年収・待遇面で不満を感じたとき」(32.1%)が最多となり、転職経験の有無にかかわらず「年収・待遇面」での不満が転職へのきっかけになっていることがうかがえました。
さらに、前回の転職活動について、「うまく進められた」と答えた医師は94.6%、前回の転職活動の満足度についても、91.2%が「満足している」と回答しています。
一方で、「過去の転職活動で後悔したこと、やっておけばよかったこと」については、「もう少し賃金交渉をすればよかった」(40代女性)、「転職先の人間関係や風通し、地域からの評判の下調べ」(40代男性)などの声が寄せられました。
そのほか、失敗・苦労したことについては、「時間外勤務はほとんどないと聞いていたのに実際働いたら時間外の対応が意外と多かった」(40代女性)、「勤務してみると院長が独裁的で勤務がいやになった」(50代男性)などの声が挙がっています。
最後に、「転職を経験した医師が未経験の医師に勧めたいと思うこと」では、「有給休暇の取りやすさ、給与、時間外など疑問に思うことは紹介会社を通じてでもはっきりさせておいた方がよい」(50代男性)といった意見のほか、「業者や病院の方は妥協を求めてくるが、仕方ないと思って譲れないところを譲ると後で転職を後悔する」(50代男性)、「紹介会社の情報だけではなく、自分でも知り合いなどを通して情報収集すべき。できれば見学も行った方がいい」(40代女性)といった意見が目立ちました。
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【出典】
▽株式会社メディウェル/医師の転職の実態とは?経験者の9割が「満足」、一方で後悔も-医師1,205人へのアンケート調査