40~50代に訪れる「ミッドライフ・クライシス」…男性の健康意識は女性より低め、あなたは大丈夫?
40~50代は社会的な責任が増し、家庭では子供の教育、親の介護などさまざまな役割を担うようになる一方で、確実に身体は変化し不調も増える年代です。花王株式会社(東京都中央区)が実施した調査によると、男性が女性より実施率が高い健康行動は、「ウォーキング」と「定期的にスポーツ」の2つのみとなり、男性の健康意識は女性より低いことがわかりました。
本調査は、首都圏在住の20~60代の男女3078人を対象として、2024年9月に実施された「生活者の意識と行動に関する調査」および首都圏在住の40~50代男性1万895人を対象として、2021年12月に実施された「暮らしと健康に関する調査」の2つの調査結果からの抜粋となります。
まず、首都圏在住の40~50代の男女1416人に「健康維持のために行なっていること」を尋ねたところ、男性が女性より実施率が高い健康行動は、「ウォーキング」(男性39%、女性29%)、「定期的にスポーツ」(同26%、同18%)の2つのみとなり、「睡眠を十分にとる」(同28%、同37%)、「適度な休養」(同20%、同28%)、「ゆっくり入浴」(同10%、同19%)や、「3食きちんと食べる」(同27%、同33%)、「食物繊維をとる」(同23%、同34%)、「夜遅い時間に食事をしない」(同17%、同30%)など、睡眠・休養や食事に関することは、女性に比べ実施が低いのが実情であることがわかりました。
続けて、20~60代の男女3078人に「自身は健康と思いますか」と尋ねたところ、年代で大きな違いはみられず、40代男性の68%、50代男性の69%が「自分は健康」と回答。
その一方で、ほとんどの人が何らかの不調を感じており、半数以上が感じている不調としては「筋力の低下」(72%)、「よく眠くなる、しばしば疲れを感じる」(68%)、「関節や筋肉の痛み」(66%)などが上位に挙がりました。
この結果について同社は、「加齢変化や更年期を認めたくないという心理もあるのか、家族の心配をよそに自分の体のことを顧みない男性は少なくないようです。受診するか迷ったら、セルフチェックで簡易診断する方法もあります。必要に応じて医療の手を借りることも大切です」とコメントしています。
また、ストレスについて聞いたところ、40代男性の73%、50代男性の61%が「普段の生活でストレスを感じている」と回答。
具体的なストレスの対処法としては、「睡眠を十分にとる」(38%)、「お酒を飲む」(32%)、「テレビを見たり音楽を聴く」(30%)などが上位に。ただし、「お酒を飲む」の32%は、20~30代男性の1.8倍となっており、睡眠の質が下がることから注意が必要といいます。
40~50代は、これまでの人生や将来について悩んだり、不安や焦燥感を抱くミッドライフ・クライシス(中高年の心の危機)に陥りやすくなります。
そこで、「日頃から頻繁におしゃべりをする友人やグループがある」と答えた割合を見ると、40代(男性41%、女性40%)は男女で差が見られなかったものの、50代では女性の45%に対して男性では34%と、女性に比べて「心の健康」への関心が低く、年齢を重ねるにつれ、日頃から頻繁におしゃべりをする友人がいる割合も減る傾向にあることがわかりました。