ボス猫に追いやられ、いつも1匹だった 飼い猫の子孫で路頭に…人への警戒心が強く

2023年5月、ある地域で丁寧にお世話されている地域猫グループの外れに、ひとりでその様子を見つめる長毛の白黒猫がいました。その猫は大阪の保護猫シェルター「Happy Tabby Room」で保護されている「すみっこちゃん」です。

すみっこちゃんは、その名前の通り、いつもグループの「すみっこ」から彼らの仲間入りを夢見るように見守っていました。

■グループに入れなかった孤独なすみっこ

地域の猫たちは、キジやキジシロといった同じような毛色で仲良く過ごしており、決まった時間にご飯をもらう日々を送っていました。

そんな平和な猫グループに対し、すみっこちゃんは白黒の長毛という異なる風貌だったためか、彼らに受け入れてもらえませんでした。近づこうとすると、ボス猫が威嚇して追い払ってしまい、いつも距離を取るしかなかったのです。

食事も満足にとれず、グループが食べ残したわずかなご飯を、ボス猫に見つからないようこっそり食べる日々。それでも、すみっこちゃんは懸命にその環境で生き抜いていたそうです。

「地元の住民の話では、すみっこちゃんはもともとどこかの飼い猫の子孫で、かつては飼い主の親戚が世話をしていたものの、最近は面倒を見る人もおらず、路頭に迷っていたようです」とスタッフは話します。

■控えめでおとなしいすみっこちゃん

常に控えめで、グループから少し離れた「すみっこ」からそっと様子を見ていたため、「すみっこ」というぴったりの名前がつけられました。

現在、すみっこちゃんは新しい環境にも少しずつ慣れてきており、人慣れ修行中。ブラッシングが大好きで、機嫌が良ければ触らせてくれることもあります。また、おやつも大好き。

「少しずつ信頼を深めながら本当の家族のもとで心を開いてくれることでしょう。他の猫とも仲良くできる控えめな性格で、共存にはとても向いている子です」

ふわふわの美しい毛並みを持つすみっこちゃんは、猫エイズキャリアですが、適切なケアとストレスのない環境であれば発症せずに健康で暮らすことが可能です。

「少し人に対して警戒心が残っていますが、他の猫と仲良くできるため、先住猫がいるご家庭でも安心して迎えられるはずです」

推定3歳のすみっこちゃんは、まだまだ若くて柔軟性があるため、愛情を持って接することで、ゆっくりと心を開いてくれるでしょう。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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