白蛇10匹誕生し、参拝者急増「ご利益あった」2002年から飼育する神社「神様の使い。大切に育ててきた」
家具の街・福岡県大川市にある「三宝神社」(祭主・佐藤操さん)。境内には「白蛇の館」があり、白蛇を参拝できる神社として知られている。今年(2024年)9月初め、白蛇の子ども10匹が同時に誕生したというニュースが報じられて以降、同神社を訪れる人が絶えない。来年は巳年。弁財天の傍らに仕える白蛇は、富や幸運を授ける神様の使いと言われているが、同神社によると参拝後「ご利益があった」とお礼参りに来る参拝者も少なくないという。
三宝神社は1985年6月、民芸家具製造会社「九銘ハウジング株式会社」代表取締役で日本伝統木芸推進協会会長の佐藤操(みさお)さん(86)が、木工の街・大川を成り立たせている樹木に感謝するため、自宅敷地内に開設した。樹木大明神、天照大神、白巳金神(はくみこんじん、白蛇のこと)の「3つの宝」を祀っている。2度の移転を経た現在の地では、昔から白蛇の存在が話題になっていたそうで、2002年頃、突然白蛇が現れて以来、神社内で飼育するようになったという。
白蛇の飼育を担当しているのは、操さんの妻で伝統木芸士のさとみさん(75)。「神様の使いである白蛇さまを大切に保護して飼育してきました。今年7月、それまで5匹いたうちの1匹、メスのアンミが12個の卵を産み、9月初めに10個が孵化して10匹の白蛇の子どもが生まれたんです。それまでは卵を産んでも孵化しない、あるいは、孵化しても3、4個程度だったので、10匹もいっぺんに生まれたのを見たときにはとてもびっくりしました。奇跡的なことです」と振り返る。
このことが地元の新聞などで報じられると、同神社には白蛇を一目みようと、一時は行列ができるほど大勢の参拝客が訪れた。旅行会社からの問い合わせも相次ぎ、来年2月までに12台の観光バスが団体で参拝にやってくる予定だという。
白蛇の館は3年ほど前、境内に設置。参拝者は中には入れず、館内で飼育されている白蛇たちをガラス窓越しに外から見学するスタイル。さとみさんによると、何度も訪れる人や「ご利益があったから」とお礼参りにやってくる参拝者も少なくないという。
「臨時収入があった、大きな仕事が入ってきた、ロトで数十万円が当たったなど金運にまつわる出来事のほか、がんが早期に見つかった、病気平癒など健康に関する良いことがあったという方も3、4人おられました」(さとみさん)
白蛇を拝んで「性格ががらっと明るくなった」という人もいるそう。「ずっと引きこもりの方がおられて、お参りに来られた方がその人をひっぱり出してここに連れてきたところ、その人は白蛇を見て涙を流し、スーッとなにかがか抜けたような感じになって、帰るころには顔色がころっと変わって元気になっていた、ということもありました」
さとみさんはこう続ける。「わざわざここまで来て白蛇さまをお参りしようとする方は、白蛇さまを心の中で大事に崇めているんだと思います。私は参拝者の方々の悩みなどに寄り添いながら話をするのですが、来られた方とは波動が合ってすごく意気投合しますね。願いがあれば心から信じて委ねることが大切だと感じます」
祭主の操さんは広島県出身。37歳のとき、自ら立ち上げた合板家具製造会社がオイルショックの影響で倒産し、多額の借金を背負った。縁あって大川で民芸家具の製造を手がけることになり、同神社を開設して樹木の神様を祀ってから事業が好転。「何もかもうまくいくようになった」と操さんはいう。市議会議員を3期12年務め、九州では珍しいモール泉(フルボ酸含有泉)を掘削(神社近くにある「大川温泉」)するなど、地域の人たちに喜ばれている。
「素直になり、日々のすべてに感謝すること。神様を敬い、信じることがなにより大切だと思います。参拝することで心持ちが変われば、神様の『おかげ』は必ずあるはずです」(操さん)
現在、境内に社務所を建設中で、今年12月中にも完成予定。御朱印のほか、さとみさん手作りの白蛇お守り、ストラップなど販売する予定だ。「商売としてやっているわけではなく手作りなので数は限られますが、喜んでいただければ嬉しいです。来年は巳年ですし、参拝に来ていただいた方々が幸多き1年となるよう、これからも心をこめて迎えたいです」とさとみさんは話している。
三宝神社
住所 福岡県大川市大字本木室316-1
電話 0944-88-2088
(まいどなニュース特約・西松 宏)