「助けて」と鳴いていた小さな命は、今や体重8キロ級・威風堂々たる大きさに 家族を救う「福を呼ぶ猫」に大変身

元保護猫の男の子「サボ」くん、愛称「さっちゃん」(取材時、9歳)とX(旧Twitter)ユーザーの飼い主・さっちゃ~ん(@ri6PIvXx5MmbVE3)さんとの出会いは、2015年9月12日、記録的な豪雨災害が過ぎ去った翌日に訪れました。

飼い主さん夫婦が散歩をしているとき、ふと公園の方から子猫の「ミャーミャー」という鳴き声が聞こえてきたのです。どうやらすべり台のあたりから聞こえる様子。その声に引き寄せられるように近づくと、まだ小さな子猫がいたのです。

「近づくと人間を怖がることもなく、『助けて』と叫んでいるように感じられました。私たち夫婦のほうへ必死に近寄って来たので、抱き上げ、体を温めるためポケットへ。そのまま家へ連れて帰りました」

こうして、さっちゃんと飼い主さんの新たな暮らしが始まりまったのです。

■おうちでの暮らしとさっちゃんの成長

家に到着した飼い主さんは、急いでさっちゃんを迎え入れる準備をスタート。お腹を空かせていたさっちゃんは、猫用のドライフードをたくさん食べ始めました。

「夢中でご飯を食べる姿がとても愛おしく感じられたのを覚えています」

その後も、飼い主さん夫婦は、さっちゃんのケアを続けました。そのかいあって、さっちゃんはすくすくと成長。生後間もなかったため、飼い主さん夫婦は、特にさっちゃんの健康面に細心の注意を払ったといいます。

「さっちゃんは、過去に尿路の病で入院したことがありました。そのため、食事管理を徹底するようにしたのです。一方、当のさっちゃんは私たちの心配をよそにどんどん大きくなり、体重は8.2キログラムになりました。今では獣医さんから『洋猫の遺伝子が入っているかもしれないね』と言われるほど、威風堂々とした雰囲気を漂わせています」

■さっちゃんと家族の絆

さっちゃんが家族の一員になった頃、飼い主さんは義父の介護に携わり、忙しない日々を送っていたといいます。

「義父の容態が思わしくなく、心配ごとが絶えませんでした。そのため、さっちゃんが家族の一員になってくれたときは『招福猫が来た!』と家族で大喜び。お迎え当日、養父がさっちゃんを目にしてにっこりと笑みを浮かべていた姿が今も忘れられません。私たち家族は、さっちゃんに何度も心を救ってもらっています」

さっちゃんの愛らしい姿や振る舞いは、飼い主さん家族に癒やしをもたらしました。

「とても甘えん坊で、家族のことが大好き。私たちが外出するときは、“番猫”のように見送ってくれたり、帰宅するとおなかを丸出しにして“へそ天”をして出迎えてくれたりします。私のことは、『大きな猫』だと思っている様子。大きくなった今でも、一緒に遊びたくてちょっかいをかけてきたり、追いかけっこをしたりして遊んでいます」

また、さっちゃんを家族の一員として迎えたことで、飼い主さん夫婦の仲もさらに深まったそうです。

「私たち夫婦は旅行好きですが、家にさっちゃんがいるため1泊2日でお出かけするようになりました。さっちゃんと一緒にいられる時間は有限。さっちゃんとの穏やかな生活を大切にしたいです。さっちゃんいつもありがとう」

さっちゃんと飼い主さん夫婦が出会ったあの日から、共に歩んできた日々はどれもかけがえのない宝物。これからも、笑顔が絶えない幸せな時間が続くことでしょう。

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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