03-5989…で「おじさん 告白 おじさんのロマン」だと!?激安せんべろ居酒屋、全47店の電話番号が昭和な語呂合わせすぎる件
とにかく安いのに美味しく、ひとりでも気軽に飲めて、しかも提供も早く、千円あればべろべろに酔える「せんべろ」として名高い居酒屋「晩杯屋(ばんぱいや)」をご存知ですか? 「昼間っから晩杯屋」というキャッチフレーズを掲げているとおり、新宿思い出横丁店は毎日午前7時から朝飲みも楽しめます。しかも同店は喫煙目的施設であり、完全禁煙店舗は2店舗、分煙店舗は5店舗しかありません。
新宿東口店に足を運ぶと、スタンド形式でお通し代や席料が不要というシステムが、ちょっと飲みたいときに大変便利です。メニューを見ると税込価格が大きく表示されていて、「揚げにんにく(90円)」「煮込み(150円)」「貝ヒモ刺し(220円)」「カキフライ(310円)」「マグロ刺し(310円)」など、まるで昭和の懐かしさを感じさせる激安フードが目白押し。ドリンクも「ハイボール(290円)」「ホッピーセット(430円)」「生ビール(490円)」とお財布に優しいラインナップです。注目したいのは、完全予約制・前金制ながら「ロマネ・コンティ(450万円)」というブチ抜きの高級ワインも存在しているのも同店の魅力を再認識させられます。
この「晩杯屋」を運営しているのは、株式会社アクティブソースで、2009年に「立呑み晩杯屋 武蔵小山本店」をオープンして以来、現在では47店舗にまで増加。その多くはFCではなく直営店で、兵庫県や大阪府、東京都、神奈川県にも広がり、特に東京都の出店が顕著です。ちなみに、2020年には丸亀製麺を展開する株式会社トリドールホールディングスの完全子会社になりました。時代の流れを感じますね。
■東京の市外局番03(おっさん、おじさん)は定番?
そんな晩杯屋ですが、次はどこの店舗に行こうかと公式サイトを見ていると、なんとすべての店の電話番号が語呂合わせになっていることに気づきました。これがまた秀逸な語呂合わせから、だいぶ無理のある語呂合わせもあり、昭和感が漂ってきます。例えば、市外局番では06(おもろ)、03(オッサン)(おじさん)、045(お新香)が使われる傾向があり、ひらがな、カタカナを巧みに使い分け、句読点、感嘆符、半角・全角アキが多用されているのが特徴的です。
同社の広報担当に語呂合わせについて問い合わせたら、以下の回答がありました。「語呂合わせを考案したのは創業者である金子源で、第1号店からすべて作っています。電話番号を決定する際は、候補番号から語呂合わせを考えて語呂合わせができた番号を指定するケースと、時間の関係で先に番号を決めて後から語呂合わせを考えるケースがありました。また、語呂合わせを作るポイントは、ネガティブな表現は避けるようにしています。ベストだと思う番号は03-3785-7635(みんなやって来いなムサコ)で、悩んだ市外局番は溝の口店の044-299-7444(オヨヨ、肉喰う、梨ッシーよ)です」
確かに044(オヨヨ)は苦肉の策ですね。ちなみに、コンプライアンスが厳しくなった昨今の時代背景に合わせて語呂合わせを変更したことはないそうです。筆者が心を打たれたのは新宿思い出横丁店の03-5989-0360(おじさん 告白 おじさんのロマン)で、立ち飲み激安居酒屋でもワクワクする出会いを彷彿させる素敵な語呂合わせです。また、高円寺純情店の03-5364-9195(おっさんゴ-寒いよクイックゴ-)は、とにかく早く飲みたい気持ちがギュッと詰まっていて、笑いがこみ上げてきます。さらに中目黒目黒川RS店の03-6303-2828(おんざろっくさおじざんにやにや)は、覚えやすいもののオンザロックはメニューにはないのでご注意。蒲田西口店の03-6428-7479(おっさん無性に話長く)は、中高年男性にはちょっと耳がイタイ言葉ですが、的を射ていますね。
一方、すべての語呂合わせが成功しているわけではありません。中にはちょっと無理やり感があるものもありますが、それがまた人間味があっていい。クイズレベルだと感じたのは、北関東ふるさと編ファンデス上野店の03-5830-7829(オーシャン、ゴーヤ、サンマ、菜っ葉、ニクいね!)は何か一貫性を欠いていて覚えにくく、新橋SL広場店の03-6228-5516(おじさん、ロックでフィーバー!午後1時からロック!)はロックでフィーバー!が思いつきませんでした。
昭和世代は電話帳を持ち歩いていて、多くの番号を覚えていた時代を経て、今やスマホが主流。指先一つで電話をかけることが常識になりましたが、電話番号の語呂合わせを使って覚えるのも、また趣深い楽しさがありますね。思わず感慨にふけるこの遊び心は、昭和人間だからこその特権かもしれません。みなさんの心に残った語呂合わせはなんですか?
(まいどなニュース特約・鈴木 博之)