「抗議に電話代払うよりまず…」クマ侵入被害のスーパーを応援するアイデアが話題→ネット「その手があったか」

 秋田市のスーパー「いとく土崎みなと店」にクマが侵入し、店員を襲ってけがを負わせた上、約55時間居座るという前代未聞の出来事。クマを駆除した市に対し、抗議の電話などが相次いでいると伝えられる中、ネット上ではあるSNS投稿が注目を集めています。

 「大切な従業員が怪我した上に店の中も商品もグッチャグチャにされた挙句この年末のかきいれ時に休業する羽目になったスーパーが一番可哀想だろ くっだらない抗議に電話代払うよりまずスーパーに募金してやんな」(投稿から引用)

■「熊に負けんなよ」メッセージも

 投稿したのはXのアカウント名「まちょだ」さん(@agri_xx0223)。

 まちょださんは投稿後、店を支援するため行動に移しました。同スーパーのオンラインショップで秋田名物の「きりたんぽ鍋セット」を注文。投稿を更新し、注文完了画面の画像を公開するとともに、SNSを通じて店へメッセージも送りました。

 「熊にやられたスーパーのオンラインショップあったからきりたんぽセット買ってみた 熊に負けんなよ」(投稿から引用)

 まちょださんによると、最初の投稿後に「『スーパーに募金してやんな』とは言ってるけど自分は何もしていない」と感じたそうで、「何か直接応援できる方法はないか」と考え、同社のネットショップで買い物することを思いつきました。

 「一連のクマ被害に対してはもちろんのことながら、批判的な意見の中にはスーパーを責めるようなものも見かけたので、そういった逆風の中でもめげずに頑張って営業して欲しいと願って、『熊に負けんなよ』という言葉を使いました」(まちょださん)

 まちょださんの考えや通販で応援するアイデアに対し、ネットユーザーからは「なるほどその手があったか」「その発想はなかった」「イトクで買い物して貢献しよう」「店が再開したら爆買いしてあげて」「(抗議の電話より)従業員や店を守るためにまずは支援の手を差し伸べるべき」「いとくには本当にお世話になった。従業員さん早く良くなってほしい」などの声が上がっています。

     ◇

 実は農家として働くまちょださん自身、今年6月に自分の畑にクマが現れる経験をしていました。

 「足跡を発見したあとの数日間は特に警戒していました。もちろん恐怖心もありました。夕方は作業しない、大きな音を鳴らす、草刈りや枝払いを徹底して見通しを良くするなど、自分に出来ることはやって対策をしました」(まちょださん)

■店の公式SNSには励ましの声続々

 11月30日午前6時20分ごろ、秋田市のスーパー「いとく土崎みなと店」にクマ1頭が入り、従業員の男性を襲いました。クマはそのまま店内にとどまったため、秋田県警や市は箱わなを設置。発生から約55時間経った12月2日、捕獲し、麻酔で眠らせた上で駆除しました。

 被害を受けた店は12月7日から営業を再開する予定。店を運営する「伊徳」の公式Xは4日、全国から多くの励ましの言葉が寄せられていることに感謝を伝えた上で、「本来であれば一つ一つにお返事を差し上げるべきところではございますが、いただいたメッセージの数が想像以上に多く、個別にお返事することが難しい状況です。何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。この励ましを力にオープンに向けて引き続き準備して参ります」と投稿。同社公式サイトでも「被害箇所の商品入れ替え、徹底した消毒清掃を行ったうえ、オープンいたしますので是非足をお運びくださいませ」と呼びかけています。

(まいどなニュース・金井 かおる)

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