マイナ保険証、年代で賛否くっきり 6割超が「セキュリティ面に不安」…1000人にアンケート
2024年12月2日から従来の紙の保険証の発行が廃止され、「マイナ保険証」に移行されましたが、生活者側はどのような意識を持っているのでしょうか。マーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(東京都渋谷区)が実施した「マイナ保険証」に関する調査によると、マイナ保険証を医療機関などで「使用したことがある」人は約6割であることがわかりました。その一方で、マイナ保険証の利用に際し、6割超が「セキュリティ面の不安を感じる」と回答したそうです。
調査は、マイナンバーカードを持っている全国の20歳以上の男女1000人を対象として、2024年11月にインターネットで実施されました。
まず、「マイナンバーカードを保険証として利用登録することに対しての賛否」を聞いたところ、「賛成派」(賛成24.9%、どちらかといえば賛成20.1%)が45.0%、「反対派」(反対9.5%、どちらかといえば反対8.3%)が17.8%、「どちらともいえない」が37.2%という結果になりました。年代別に見ると、賛成派は「20代」(52.0%)で多く、反対派は「60代以上」(22.5%)が多くなっています。
マイナンバーカードを保険証として利用登録することに「反対派」の178人にその理由を尋ねたところ、「カードの紛失・盗難が心配だから」(53.9%)と「個人情報の漏えいが心配だから」(52.2%)に回答が集まったほか、「システムエラーや障害が心配」(48.3%)という意見も上位に挙がりました。
また、「マイナ保険証利用時のセキュリティ面」について全回答者に聞いたところ、63.7%が「不安に感じる」と回答し、年代が上がるにつれて不安を持つ人が増える傾向が見られました。
次に、「実際にマイナンバーカードを保険証として利用登録していますか」と全回答者に聞いたところ、61.1%が「利用登録している」と回答し、登録予定者(21.1%)を合わせると82.2%に及ぶことがわかりました。
さらに、マイナンバーカードを保険証として利用登録している611人のうち、「医療機関などで使用したことがある」と答えた人は全体の61.0%となり、特に女性の20代(72.7%)と30代(70.7%)、60代(82.1%)で多い傾向が見られました。
そこで、「マイナンバーカードを保険証として利用した際に、トラブルを経験したことはありますか」と尋ねたところ、「医療機関がマイナ保険証に対応していなかった」(8.8%)が最多となったほか、「認証システムがうまく動作せず、認証に失敗した」(7.2%)、「暗証番号を忘れた」「医療機関の受付でシステムが混雑していて時間がかかった」(いずれも6.7%)といった回答も挙がり、迅速なシステム強化が望まれることがうかがえました。
最後に、「マイナンバーカードで、利用できたらいいと思うサービス」を聞いたところ、「選挙投票の電子化」(43.8%)、「税務関連の手続き」(35.7%)、「社会保障関連の手続き」(34.3%)などが挙げられた一方で、「利用拡大は望まない」(30.7%)という意見も約3割みられました。