「いい保険があるのよ」ママ友の職場復帰で始まる“押し売りラッシュ”…ああ、NOと言えない私
子どもが成長して少しずつ手が離れるにつれ、職場復帰や転職活動、パートを始めるママ友が増えます。育児と家事を両立する苦労はありそうですが、新しい生活のリズムや社会とのつながりを楽しんでいる姿を見ると、とても輝いて見えます。ただ、中には新しい仕事に一生懸命になりすぎて、ちょっと「押し売り」っぽいことをしてしまうママ友も。そんな彼女たちからの勧誘に流されてしまった、“ほろ苦い”エピソードをご紹介します。
■保険を勧めてくるママ友
仲良しのママ友・Fさんは、子どもが大きくなったのをきっかけに保険の営業職として働き始めました。もともとは外資系企業でキャリアウーマンとして活躍していたFさん。第一子の出産とともに育児に専念するため、すっぱり退職。「子育てする時間って、実はとても短いから、その間はしっかり子どもを見てあげたいのよ」と言って、2人の子どもの中学受験に寄り添い、第一希望の私立中学校に合格させるなど、見事なママぶりでした。
そんなFさんが再び働き始めてからというもの、たまに会うたびに保険の話が。「いい保険があるのよ。私も子どもたちも全員入ったのよ!」「外貨保険は円安の今が狙い目!タンス預金があるならやらないなんてもったいないよ」と、パンフレットを渡してくれます。初めは軽く聞き流していたものの、勧誘は次第にLINEにまで届くようになりました。家計を管理している夫から「保険は必要以上に加入したくない」と言われていますが、「子どもが若いうちは掛け金も少ないんだよ」などと言われると、なかなか断りにくいものもあります。
そんなある日、Fさんから切実な電話がありました。「今月どうしても契約が足りないの。今月の契約を見込んでいたお客さんから日程をずらされてしまったの。お願いだから、子ども名義で掛け捨てのがん保険だけでも契約してくれないかな」…。
未成年の子ども名義なので、月々千円以下の掛け捨てで、年払いにしても1万円程度の負担です。しかも「その1万円分、私がランチをごちそうするから! 損にはならないようにするから」とまで言われ、あまりに切迫した頼みぶりに、つい折れてしまいました。契約後、彼女は約束通り、ちょっと豪華なフレンチをごちそうしてくれました。
ところがその後、彼女は別の保険会社に転職。「あの保険は解約してもいいよ」と言われ、今後は新しい保険の勧誘が始まりました。「子どもさんもうすぐ誕生日。掛け金が上がる前に新しい医療保険に加入しない?」…。
Fさんもいろいろと親身になって考えてくれているのはわかります。しかし保険はもういらない。どう断れば角が立たずに断れるか、悩んでしまいます。
■エステ体験も甘い誘惑?気づけば化粧品4万円購入
そんな中、別のママ友・Mさんはエステサロンで働き始めたばかり。「練習台になって欲しい」とお願いされ、彼女が勤めるサロンで何度か練習を兼ねた施術を受けることに。回を重ねるごとにMさんの技術も上達し、無事エステティシャンとしてデビューすることができました。
そこに現れたのは手練れの店長。「せっかく何回かエステを続けて、肌状態もとてもいいから、この状態を維持した方がいい。この化粧品を使って、エステを続けないと!」と勧められ、気づけば金利手数料無料の分割払いコースで4万円分の化粧品セットを購入することに。
さらにその化粧品を購入することで、サロンのエステが割引価格で受けられるという“お得なプラン”にも加入したことになり、Mさんもとても嬉しそうです。「たまには自分にご褒美を…」という気持ちで購入したものの、どこかモヤモヤが残っています。
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みなさんはママ友からの勧誘で困ったこと、ありますか?
▼30代(長女小学生・長男幼稚園児)
長女の幼稚園で一緒だったママ友が、ネットでハンドメイドアクセサリーの販売を始めたとグループLINEでお知らせが来ました。周りの仲良しママたちはみんな「可愛い~!欲しい!」と注文し購入していました。高いものでもなかったし、応援したい気持ちもあるのですが、私の趣味とは少し違うので、断り文句が思いつかず、私だけ何も購入しなかったので、角が立ったかと心配しています。
▼50代(長女高学生・次女中学生・三女小学生)
年齢が上がってくると体の不調がランチ会での話題になることも多く、健康志向のママ友が「これ試してみて!」とサプリを渡してきました。その後会うたびに「どうだった?よかったでしょ?うちも家族全員で飲んでるの」と言われ「買ったほうがいいよ」と言われて困っています。我が家は子どもが三人いるので家族で取り入れると結構な金額になってしまいます。家族の健康を思うのは私も同じだけど、高すぎて続けられないかな。
▼40代(長男幼稚園)
自宅で料理教室やお菓子教室を開いているママ友がいます。手作りのクッキーやシフォンケケーキをおすそ分けでいただいてとても美味しくて、数人のママ友が料理教室に行くことに。「〇〇さんも来てよ」と言われ、何回断っても「来週は?」と予定を聞かれます。材料費だけでも結構な金額でした。子ども同士も仲が良く、息子も、「クッキー美味しかった」と言っています。試しに1回だけ参加したのですが、すっかりママ友グループでLINEも出来てしまい、辞めずらい雰囲気になってしまっています。
▼30代(長男小学生・長女幼稚園生)
ママ友がフリーマーケットに出品するから「ぜひ買いに来て!」と誘われました。天気がいい日だったので、子どもと散歩がてら出向きましたが、子供服やおもちゃなど、我が家にとってもいらないものばかり。行ってしまった手前、何も買わないわけにはいかず、「これいいよ」とおすすめされたので、欲しくもないものでしたが、買いました。不要なものはうちにもたくさんあるのに…。
(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)