【妻が不倫】水面下で証拠集め 娘を引き取り離婚協議 妻が夫を「未成年者略取」で訴えた!

父親が親権を獲得できるのは1割程度とされる中、裁判を経て娘の親権を得た高橋さん(37歳・仮名)。離婚までの経緯の他、仕事と育児のバランスや、シングルファザーとして娘に抱く思いなどをお話いただきました。

■妻の不倫…話し合いでは解決できない

--結婚から離婚に至るまでの経緯を教えてください。

結婚して4年後に娘が生まれました。その後セックスレスが続いていたタイミングで妻が職場復帰したんです。その頃から何となく怪しい動きがあったので、「不倫しているのではないか…」という疑念を持つようになり、妻のスマホを確認したところ確信に変わりました。

その他にも、妻として、母親として信用できない決定的なことが発覚しましたが、不倫が直接的な理由というよりも、普段の生活の中で感じる私への愛情の薄れを感じていました。

妻と離婚するか、修復をするか-職場の方を含めて数人に相談し、いろいろなパターンを想定した上で、自分の中で「離婚して子どもは私が育てたい」という結論が出たのです。

--離婚を決意した後はどのように行動したのでしょうか。

弁護士事務所を3、4カ所回って相談しました。

最終的に依頼した弁護士以外は「まずは話し合いを」と勧められたのですが、ネットで情報を集めていると、「子どもの親権を持って離婚したい」と話し合いを持ちかけても、妻が子どもを連れて実家に逃げてしまうケースが多いようでした。

その場合、相手側の監護期間が長引き、こちらが不利になることが多く、親権を得るのは難しいという印象を持っていました。

そこで、自分が子どもとより長く、深く接してきた事実をどのように示すかが重要だと考え、その点を踏まえた提案をしてくれた弁護士に依頼しました。

約半年間、妻に気づかれないよう水面下で準備を進め、同時に裁判に備えて証拠集めも行っていました。

■未成年者略取誘拐罪で訴えを起こされた

--万全に準備を整えてからアクションを起こしたのですね。

妻が会社に行っている間、当時5歳の娘を保育園から連れて帰り、そのまま一時的にウィークリーマンションに引っ越し、別居が始まりました。

その後は弁護士を通じたやり取りになり、スムーズに離婚できればよかったのですが、その手前で私の方が未成年者略取誘拐罪の訴えを起こされたのです。最高裁まで争い、約2年かかりましたが、最終的には私が勝つ形で終わりました。

その後に離婚の話し合いが進み、家庭裁判所で和解が成立して離婚しました。

--離婚の話し合いの争点は、やはり親権に関してだったのでしょうか。

そうですね。他の部分に関しては一般的な結論に落ち着きましたが、親権については時間がかかりました。

家庭裁判所の調査官調査では、自宅に来て、私がどのように娘と遊んでいるかを観察されました。また、保育園の園長に電話で話を聞き、子どもと調査官が直接話す時間もありました。その過程で、保護者とのやり取りに違和感がないかなど、親子関係や子どもの状況について調べられました。

--共同親権が話題になっていますが、どのように感じていますか?

既に離婚している場合でも、相手が共同親権を求める場合には、家庭裁判所に親権者変更の申立てをして、共同親権への変更を求めることができるとニュースで知り、不安に感じています。

夫婦間の折り合いが悪くて裁判まで発展しているにも関わらず、面会交流でしか子どもと接していない相手と進学先や習い事に関してまで協議するのは現実的ではないと思っています。

一方で、相手は暴力を振るうなど子どもに直接的な被害を及ぼしていたわけではないので、「子どもにとって悪い母親ではない」と捉えられる可能性もある。子の福祉を重んじた時に、司法がどのように判断するのか、注意深く見守っていく必要があると感じています。

■離婚しても晴れやかな気持ちにはなれない娘への思い

--養育費や面会交流については、どうなったのですか。

養育費は月々2万円を支払ってもらっていて、面会交流は移動時間を含めて約5時間確保し、3カ月に一度は泊まりで面会しています。調停中も弁護士を介して面会交流を実施していたため、離婚後もそのフォーマットで運用している形ですね。

--娘さんには離婚についてどのように説明されましたか。

特にしていません。娘はすごく空気を読むタイプで、小学校3年生の今日に至るまで「なんでお母さんと一緒に住んでいないの?」といった説明を求めたことがないんです。面会交流の後も「今日は何をしたの?」と聞くと、「〇〇に行ったよ」と答えますが、母親の話を自分からすることはありません。

彼女なりに「聞いてはいけない」と思っているようで、私はそれがとても心苦しくて。子どもには何の罪もないのに、他の子と違って母親がいない環境で育てていることに対して、申し訳なさを感じています。

離婚前に望んでいた通り、相手と別れ、子どもの親権を得て一緒に暮らせているものの、「離婚して幸せ」という感覚でないことは確かです。それよりも、「毎日子どもに寂しい思いをさせているのではないか」と今も思い悩み続けています。

--離婚後、住環境や働き方に変化はありましたか?

今は私の妹と一緒に暮らしています。

週の半分はリモートワークができて、出社日はほぼ定時で帰り、娘と妹だけの時間がなるべく短くなるようにしています。妹も働いているので頼りきることはできず、別居してから一度も飲み会に行ってないんですよ(笑)。

仕事が忙しい時は、朝4時頃から“朝残業”をしたり、子どもが寝た後に残業するなど調整して、子どもと過ごす時間を大切にしています。職場の方々には、離婚前から相談していたこともあり、家庭の状況を考慮して仕事量や内容を調整し、最適なポジションにアサインしてもらいました。職場のサポートにはとても感謝しています。

■「子どものための再婚」はあり得るのか

--将来的に再婚を考えることはありますか。

いや……悩みますよね。「“母親”という存在が身近にいる方が娘の成長にとって良いのではないか」と思い、マッチングアプリに登録してみたものの、子どものために結婚するという形が本当にあり得るのかと考えてしまいます。

結局、母親としての機能だけを期待しているようにも感じますし、そんな結婚を受け入れる女性もいないでしょう。私自身、結婚に対して苦手意識を持ってしまったのかもしれませんが、今は再婚を考える気持ちにはなれていません。

--妹さんの助けがあるとしても、シングルファザーとして娘さんを育てていく上で、不安や心配なことはありますか?

現時点で大きな不安はありませんが、娘が成長するにつれて、体の発達について男親に相談しづらくなることもあるかもしれません。その際には、一緒に住んでいる私の妹に相談してくれると良いのですが、妹が結婚や仕事の都合で離れる可能性も考えられるので、そうなった場合は心配です。

幸い近所に家族ぐるみで仲良くしている友人がいるので、今後も頼りにできる人たちを地域に増やしておきたいですね。

ただ、気になるのは、統計的に母子家庭よりも父子家庭の子どもが非行に走る割合が高いというデータです。父親が子どもと一緒に過ごす時間が少なく、愛情不足によって子どもが孤独を感じることで、そうした状況に陥りやすいのかもしれません。

もちろん、統計データはあくまで数字で、我が家がどうなるかは別の問題だと理解していますが、そうならないように娘と一緒に過ごす時間を多く作り、愛情をしっかりと伝えながら育てていけるよう父親として今後も向き合っていきたいです。

(まいどなニュース/リコ活)

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