「痩せている…」猫風邪にかかった生後1カ月の保護猫、「ニャーン」と人間の会話に参加、喧嘩も仲裁する存在に
元保護猫の男の子「うに」ちゃん(取材時、3歳)と、X(旧Twitter)ユーザー・うおおおさん(@UOOO_uni_oishi)は、今から3年前に出会いました。
うにちゃんが保護されたのは、2021年5月24日。当時は生後推定1カ月から2カ月程度で、きょうだい猫3匹と一緒に保護されました。
「私はそれまで猫と暮らしたことはありませんでしたが、ずっと『猫をお迎えしたい』と思っていました。里親募集サイトや保護猫の情報をよくチェックしていたのですが、なかなかお迎えするに至らず……。ある日、Xでふと子猫の里親募集に関するポストを見かけたのです。すぐに連絡をしたところ、すでにほかの子猫は里親さんが決まったとのこと。『黒猫の男の子の里親さんはまだ決まっていないのですがいかがですか?』と聞かれ、『ぜひ、その子をお迎えしたいです!』と伝えました。それが、うにです」
こうして、うにちゃんとの新たな暮らしが始まったのです。
■小さな体で頑張るうにちゃん、健康を取り戻すまでの道のり
うにちゃんが家にやって来たとき、体はとても小さく、動物病院の先生も「痩せているな」と心配するほどでした。さらに、猫風邪にかかっており、目やにが出ていたため、飼い主さんは毎日気を配りながらお世話をしました。
「うには目やにがひどく、お腹の調子も悪かったので心配でした。毎日インターネットで情報を検索しながら、寝不足になりつつお世話していました。幸い、薬がよく効いて、体調はみるみる回復したのです」
そんな中、友人から「子猫の時期はあっという間だから、たくさん写真を撮っておくといいよ」とアドバイスを受けた飼い主さんは、成長記録としてたくさん写真を撮るようになったといいます。
「『無事に成長して、丈夫な体になりますように』と祈りながら過ごしていました。うには私の心配をよそに、たくましく元気に育ってくれて嬉しいです」
こうして、少しずつ体力をつけていったうにちゃんは、飼い主さんにとって欠かせない存在になっていきました。
■家族としての絆、初めての「お母さん」としての喜び
うにちゃんとの暮らしを始めたことで、飼い主さんの心境にも大きな変化がありました。
実家では犬を飼っていたものの、優先順位は母親が一番。飼い主さんはその犬のお姉ちゃん的存在だったそうです。しかし、うにちゃんを迎えたことで、自分自身が「お母さん」としての役割を感じるようになったのです。
「実家では犬が母を一番に慕っていたので、私は二番手のお姉ちゃんという立場でした。でも、うにを迎えてからは、私がお母さんのような存在に。『ふふふ……。私がママだ』と、ちょっぴり嬉しく思っています」
飼い主さんにとって、うにちゃんは初めての猫との生活でありながら、家族としての絆が深まるきかっけを作ってくれた大切な存在でもあるのです。
■賢くて愛らしい、うにちゃんの個性的な性格
うにちゃんはとても賢く、空気を読む力があります。飼い主さんは、その賢さに驚かされることが多いそう。
「人間同士がわいわい話していると、『ニャーン』と会話に参加してきます。揉めているときには、近寄ってきて『ニャーン』と鳴きながらゴロンと寝転がり、こちらをチラ見して仲裁しようとしてくれるんです。本当に良い子です」
そんなうにちゃんの行動には、家族も思わず笑顔になってしまうようです。
「うにちゃんは空気を読んでくれるので、いつも助けられています。その賢さと優しさには感謝しかありません」
飼い主さんは、うにちゃんとの暮らしについて次のように語っています。
「とにかく、健やかに幸せに長生きしてほしいです。私もこの子より長生きして、ずっと見守っていきたいと思っています」
うにちゃんとの日々は、飼い主さんにとってかけがえのない時間です。
これからも、一緒に過ごす穏やかな日々が続いていくことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)