匍匐前進して隠れていた怖がりな子猫を迎えて 穏やかな日々を襲ったFIP発症…3カ月の闘病で深まった家族の絆
元保護猫の男の子「ナッツ」くんが、ずっとのおうちに迎えられたのは推定1歳のころでした。
飼い主となったX(旧Twitter)ユーザー・サビ猫サラミ&シャム猫ナッツさん(@sarami_0724)は、当時を振り返り、次のように語っています。
「先住猫のサラミちゃんとのご縁を繋いでもらった保護主さんから紹介していただきました。当時、ナッツくんは、生後推定3カ月くらいだったと思います。とても臆病な子で、保護猫カフェでもずっと物陰に隠れていて、移動するときは“匍匐(ほふく)前進”のような動きをしていました」
こうしてナッツくんは、1歳になったころ、飼い主さんの家族として迎えられました。
■新生活から1カ月後に思わぬ出来事が…
おうちにやって来たナッツくんと対面した先住猫サラミちゃんは、びっくり。しばらくナッツくんを威嚇していたといいます。
「ナッツくんは、当初、とても怖がってケージからなかなか出て来ようとしませんでした。それでも、少しずつサラミちゃんや私に心を開いてくれたのです。今では、サラミちゃんともすっかり仲良しになりました」
ナッツくんとの暮らしが落ち着いて来たころ、思いがけない出来事が起こりました。
「1カ月ほど経ったころ、ナッツくんの体調に変化が現れたのです。食欲が無くなり、おなかがふくらんでいることに気づきました。すぐに動物病院を受診したところ、猫伝染性腹膜炎(FIP)を発症していたのです」
猫伝染性腹膜炎(FIP)とは、「ネココロナウィルス」によって引き起こされる病気。何らかの原因によって体内でウィルスが毒性の強いものに変化し、死に至る可能性が非常に高い病気として知られています。
飼い主さんは、ナッツくんの保護主さんからFIPの治療実績がある病院を紹介してもらいました。そして、他県まで通院しながら3カ月間、毎日、服薬を続けたのです。
「ナッツくんは、とにかく怖がりなので、薬を飲ませようとしても逃げ回るので30分から長いときは60分くらいかかることも。幸い、治療の効果が現れ、健康を取り戻すことができたときは心底から安堵しました」
そして、このことを通じてナッツくんと飼い主さんの絆はより深まっていきました。
■飼い主さんが抱くナッツくんへの思い
ナッツくんは、少しずつ飼い主さんに新たな一面を見せてくれるようになったといいます。
「とても寂しがり屋です。サラミちゃんや私の姿が見えないと鳴きながら探し回ります。ところがビビりでもあるので、私から近づくとすぐに逃走! それでも甘えん坊なところを見せてくれるようになりました。撫でると、ゴロゴロとのどを鳴らしながら“へそ天”になります」
今年2歳になったナッツくん。
飼い主さんは「いつまでも幸せに過ごしてほしい」と、心から願っています。
病気を乗り越え、先住猫のサラミちゃんと飼い主さんに寄り添いながら過ごすナッツくん。これからも、ナッツくんが幸せに満ちた毎日を送れるよう、飼い主さんの深い愛情がその生活を支えていくことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)