降水確率80%も覆す…“超絶お天気女”のママ友伝説 ピーカン灼熱旅行と“ポジティブ念力”の威力に困惑
「悪い人じゃないんだけど…」なんとなく自分とテンションや価値観が合わず“めんどくさい”と思ってしまうママ友が、まわりにいませんか? そんな存在の一人がママ友のDさんです。Dさんは自称「超絶お天気女」なのです。
■「私と一緒なら、傘はいらない」
ママ友Dさんとは、子ども同士がクラスメイトとして仲が良かったことがきっかけで、一緒にPTA役員になったり、学校行事に関わったりして、かれこれ10年以上の付き合いになります。
Dさんを語る上で欠かせないのが、彼女自称の「超絶お天気女」ぶりです。自分の頭上にだけ晴れがあると豪語し、その証拠を空の写真やお天気アプリのスクショで逐一報告してきます。
Dさんは「降水確率80%の雨予報でも、私が関わるなら絶対雨に降られることはないから大丈夫!」と自信満々に語ります。確かにDさんが関わった学校行事で、雨が降ったことは一度もありませんでした。
梅雨の間、曇天で洗濯物が干せずモヤモヤしているときも、別の場所にいるDさんは「わたしのところは晴れてるよ!」とテンション高くLINEで報告してきます。最初のうちは「そっちは晴れてていいなー」と思って返信していたものの、何度も写真が届くと、その度に「じゃあこっちも晴らせてほしいよ…」と苦笑い。返信しないわけにもいかず、返答に困ります。
■「もうすぐそっちに雨雲がかかるよ」
DさんからのLINEも特徴的です。食事中、突然通知が来たので見てみると、「もうすぐそっちに雨雲がかかるよ」というお天気アプリの雨雲レーダー画面のスクショ。その後、本当に土砂降りになり、洗濯物を急いで取り込むことができました。
ときには、Dさんの住むあたりがゲリラ豪雨で浸水しているというニュースをテレビを見ていたら、「今、こっちはすごい雨みたい。今帰り道で地下鉄に乗ってたんだけど、駅について地上に出たらピタッと雨が止んだよ!ほら、わたしが地上に出たから止んだんだよ」と満足げにLINEが鳴ります。こういったお天気情報はありがたいですが、これだけ頻繁だと気が引けます。
■旅行先でも炸裂する“晴天力”とその影響
Dさんの“晴天パワー”は、旅行でも遺憾なく発揮されます。ある夏、ママ友グループで郊外のリゾートへ出かけたときのことです。旅行前の天気予報では、一週間ほど曇りや小雨が続くとのことで、過ごしやすい気温を期待していました。しかし、Dさんは出発前から「私が行くから、絶対晴れるよ!」と豪語していたのです。
その言葉通り、到着初日から青空が広がり、ピーカン照り。最初は「やっぱりDさんの言う通りだ!」と感心しきりでしたが、日が高くなるにつれて、その“晴天力”は灼熱地獄へと変わっていくのでした。
気温はどんどん上がり、湿度も高くなる一方。アスファルトはまるでフライパンのように熱く、流れる汗が止まりません。みんなが「もう少し曇ってくれた方がありがたいんだけど…」と心の中でつぶやいている中、Dさんは、「私のせいで、ピーカンのお天気になっちゃってごめんね」と言いながらも、自信満々でした。
旅行が終わり、帰り道でポツポツと降り始めた小雨。その様子に「Dさん、電車に乗ってからやっと雨が降ったね」と口にすると、「そうね。私も疲れたし、もう晴れなくていいでしょ」と満足げに答えるDさんなのでした。
■“ポジティブ念力”伝説まで
ちなみにDさんの「能力」は“晴れ女”だけにとどまりません。ある日、みんなでサッカー観戦に行ったところ、Dさんがトイレ休憩に行っている間に1点取られてしまいました。戻ってきたDさんは「やっぱり私が念を送らなかったから点を取られちゃったね。でも大丈夫!逆転できるように念を送るから!」と自信満々に言い放ちます。
Dさんのポジティブさは、『雨を降らせない』だけでなく、周囲の雰囲気まで明るくしてしまう力があるようです。
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学校や地域のコミュニティで出会うママ友は、共通の趣味や価値観を持つ友人とは違い、子どもを介した関係です。そのため、普通なら接点のない人たちともつながることが多いでしょう。Dさんのような少し困惑させられるタイプのママ友も、その一例かもしれません。
ママ友との付き合いには、適度な距離感が大切。それでもDさんのような少し困った存在が、日常に新しい視点や気づきを与えてくれることもあるのかもしれません。
(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)