「まだまだお母さんのそばにいたかっただろうに…」家族に迎えた小さな三毛猫、「命の尊さ」を教えてくれた 6年経て凛とした姿へと成長
元保護猫の女の子「こむぎ」ちゃんとX(旧Twitter)ユーザー・こむぎなべさん(@kmg_0702)は、今から6年前に出会いました。
飼い主さんの子どもたちから「猫と暮らしたい」と相談を受けたことがきっかけだったといいます。
「私は、それまで動物や生き物と暮らした経験がありませんでした。そのため、すぐに猫をお迎えするのではなく、猫カフェを訪れて実際に触れ合うこと、そして猫と暮らしている飼い主さんたちのお話をたくさん聞くことから始めることにしたのです」
飼い主さん家族は、少しずつ猫への理解を深めていきました。しばらく経ったころ、転機が訪れます。
「猫をお迎えすることについて相談にのっていただいていた方から『知人宅で、もうすぐ子猫が生まれる』と聞いたのです。そして、子猫が生まれたとの知らせを受けて、保護主さんの家へ家族みなで会いに行きました」
そこには、4匹の子猫がいました。母猫は、春に保護されたとのこと。保護主さんによると、母猫に「家に入る?」と声をかけながら玄関の扉を開けると、すんなりと家の中へ入ってきたそうです。しばらくして妊娠していることが発覚。保護主さんは、自宅で母猫の出産を見守りました。
「3匹の子猫のうち、1匹だけ三毛猫がいました。それが、こむぎです。ほかの子猫たちはみな母猫にぴったりと寄り添っていたのに、こむぎだけ部屋の隅っこにいました。その姿がとてもいじらしくて、家族みなでこむぎをお迎えしようと意見が一致したのです。こむぎが、母猫のミルクを飲み終えるのを待って、我が家に連れて帰りました」
■新しい家族とつむぎちゃんとの暮らし
こむぎちゃんは、しばらくの間、“ひとりっ子”として過ごしながら、飼い主さん家族との暮らしに馴染んでいきました。
そして2年後、飼い主さんの実家で保護された子猫の「つむぎ」ちゃんが新たな家族に。それから、こむぎちゃんの暮らしは一変しました。
「つむぎは、自分からどんどんこむぎに近寄って行くので、こむぎは自分のペースを乱されているかもしれません。日々、つむぎに追いかけ回されて怒っています。べったり仲良しというわけではありませんが、たまに、こむぎから近寄って毛づくろいをしてあげている姿を目にしたときはほっこりすることも。つむぎのことを嫌っているわけではないようですね」
飼い主さん家族にとって、こむぎちゃんは初めてお迎えした猫。これまでともにした時間を通して、多くのことを学ばせてくれたといいます。
「命の大切さ、動物への接し方、相手の気持ちを理解して行動すること、愛しいと感じること、感謝の気持ち……。私自身はもちろん、子どもたちはたくさんのことをこむぎから教えてもらっていると思います。実際、以前と比べて子どもたちを見ていると『変わったな』と感じることが増えました」
■こむぎちゃんへの感謝と思い
こむぎちゃんは、今年6歳4カ月になりました。
気高く度胸があり、何ごとにも動じないというこむぎちゃん。いつも凛とした姿はまさにクールビューティー! そして、チラリと見せてくれる一面も魅力のひとつです。
「つむぎにごはんを横取りされても『しかたニャイわね~!』という感じでまったく怒りません。とてもおおらかで、お姉ちゃんらしい落ち着きがあります。でも本当は、甘えん坊なところも。夕飯のときは膝の上、就寝時は布団の中に入って来るのです。こむぎにとって、ここだけは絶対に譲れない場所。ところが、『甘えているのがバレちゃった!』と思った途端、どこかに行ってしまうのでそばにいてくれるときはそっとしています」
こむぎちゃんへの感謝の思いを、飼い主さんはこう語ります。
「まだまだお母さんのそばにいたかっただろうに……。我が家に来てくれてありがとう。こむぎがたくさんの幸せをもたらしてくれました」
そして、こむぎちゃんに向けて、こんなメッセージを送ってくれました。
「これからも穏やかで楽しい毎日を過ごそうね。そして、ずっと一緒にいてね!」
こむぎちゃんは、飼い主さん家族にとってかけがえのない宝物のような存在になりました。これからも、つむぎちゃんとともに、穏やかな日々を過ごしていくことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)