ケンタッキーが好きすぎる国、インド…模倣店「何とかFC」が乱立する不思議な光景
インドに乱立する「何とかFC」がSNS上で大きな注目を集めている。
「インド人のKFC好きは、もはやブランド信仰の域にまで達していて、インド各地でKFCをまねた『何とかFC』が乱立している。街角で見かけるたびに写真に撮ってきたのだが(現在まで13個ゲット)、果たしてA-Zをコンプリートできる日が来るのだろうか。なんかポケモンみたいで楽しくなってきたな。」
とその模様を紹介したのは写真家の三井昌志さん(@MitsuiMasashi)。
AFC、BFC、CFC、DFC……インドの街にはケンタッキー・フライド・チキン(KFC)が溢れかえっている。
もう少しで全アルファベットの「何とかFC」の写真を撮影できそうだという三井さんにお話を聞いた。
--インドでは他の世界的チェーンにもこういった模倣店が存在するのでしょうか?
三井:僕の知る限りKFC以外にはほとんどないですね。その理由のひとつは、チキンという食材にあると思います。
ご存じのように、インドで多数派を占めているヒンドゥー教徒は牛肉を食べませんし、二番目に多いムスリムは豚肉を食べませんから、インドでもっともポピュラーな肉はチキンなのです。というか、チキンとマトン以外の食肉を見かけることはかなり稀です。
そのチキンを扱うファスフードチェーンとして世界的に有名なKFCに憧れ、少しでも「寄せたい」というお店側の願いが「何とかFC」の乱立を生んでいるのだと思います。
--レシピやサービス面でもケンタッキーを模倣しているのでしょうか?
三井:僕も全部の「何とかFC」で食事をしたわけではないのですが、基本的なメニューはどこ似たり寄ったりだと思います。
フライドチキンがあり、チキンを挟んだバーガーがあり、ポテトとコーラの付いたセットメニューがある。だいたいそんなところでしょうか。値段的にはやっぱり本家のKFCの方がやや高いですが、決定的な価格差があるわけではありません。たとえば本家KFCでチキンバーガーのセットを頼むと290ルピーするのですが、「何とかFC」では同様のセットを200ルピーぐらいで提供しています。
「何とかFC」はあくまでもローカルなフライドチキン店であり……たまにチェーン展開している店もありますが、ともあれ店内のオシャレ感、高級感はいくぶん劣るけれど、まあまあの値段で、それなりに美味しいものを提供するというスタンスなんですね。
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SNSユーザー達から
「CFCめっちゃ行ってた 本家よりも薄味チキンとスプライト!!そして、白米!!」
「ブリテン🇬🇧も『何とかFC』が沢山有るよ」
「下にあるスリランカはTFCがあります。Tasty Fried Chicken でTFC」
「バングラで探して集めた人がいて『OFC』だけ見つけられなかったそうです。」
「これに関しては、ケンタッキー自身がパチモンのKFCをAからZまでぜんぶ集めて広告にしたことがある模様。『そんなに弊社のこと好きなのね、みんなありがとう! KFC』」
など数々のコメントが寄せられた今回の投稿。みなさんもインドを訪れた際はぜひ「何とかFC」をお探しいただきたい。
なお今回の投稿を提供してくれた三井さんはドキュメンタリー写真家としてインドなどアジア各国の“働く人々の姿”を紹介している。いずれも人間の息づかい、鼓動が聞こえてきそうな迫力ある作品だ。ご興味ある方はぜひ公式ウェブサイトをご覧いただきたい。
三井昌志さんプロフィール
アジアの辺境を旅しながら「笑顔」と「働く人」をテーマに写真を撮り続けている写真家。2024年には10度目のインド一周バイク旅を敢行。出版した著作は「Colorful Life」(日経ナショナルジオグラフィック社)など11冊。日経ナショジオ写真賞2018グランプリ受賞。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)