チャイルドシート→ジュニアシートの切り替えはいつ? 「対象年齢」だけで判断しないで
チャイルドシート(幼児用補助装置)の中でも、少し成長した子どもが使うジュニアシート。
ここでは、いつからジュニアシートに切り替え、いつまで使用するか、またジュニアシートの選び方やおすすめ製品についてご紹介します。
■ジュニアシートへの切り替えはいつ?
ジュニアシートへの切り替えのタイミングは、法律による規定がありません。子どもの体格が使用中のチャイルドシートの基準(身長や体重)から外れる頃が、切り替えどきです。
なお、一般的な切り替えの目安は身長100cm/体重15kgであり、年齢としては4歳前後でこれくらいの体格になることが多いです。
▽身長100cm/体重15kgが目安
ジュニアシートの細かな使用基準は製品ごとに異なりますが、一般的な目安は身長100cm、体重15kgを超える頃です。
子どもの体格がこれより小さい場合、ジュニアシートに切り替えても緊急時の安全を確保できない可能性があります。「もう4歳だから」と年齢で切り替えないことが重要です。
▽年齢としては4歳前後
子どもの身長が100cm、体重15kgほどになるのは、男児・女児ともに概ね3歳の終わりから4歳にかけてです。ただし子どもの成長は個人差が大きいので、定期的に子どもの体格を確認することが最も重要です。
▽兼用モデルなら長く使える
ジュニアシートやチャイルドシートの平均価格は1万~3万円台で、決して安くありません。また、買い替えのタイミングも難しいものです。
多くのメーカーでは、子どもの成長に合わせてタイプチェンジできる兼用モデルを販売しています。たとえばチャイルドシートとジュニアシートの兼用モデルなら、1歳頃から使用できます。
■ジュニアシートはいつまで使う?
法律でジュニアシート(チャイルドシート)の使用が義務付けられているのは、6歳未満の子どもを乗せる場合です。ただし実際には、安全上の理由で子どもの身長が150cmほどになるまで使うことが推奨されています。
▽法律的には5歳までが義務
道路交通法では、6歳未満=5歳以下の乳幼児を乗せる場合において、運転者にチャイルドシートやジュニアシートといった「幼児用補助装置」の使用を義務付けています。
違反した場合、反則金が科されることはありませんが、違反点数1点が加算されます。
▽身長150cm未満は使用推奨
クルマのシートベルトは大人の使用を想定しており、身長が足りないと首や腹部を圧迫する可能性があります。実際に、2024年8月には5歳と7歳の子どもがシートベルトによる圧迫で死亡する事故がありました。
現在は、法律とは別に150cm未満の子ども対してジュニアシート(チャイルドシート)の使用が推奨されています。平均身長が150cmを超えるのは、男女ともに中学1年生ごろです。
■ジュニアシートの選び方
ここでは、ジュニアシートを選ぶ際に押さえたいポイントをご紹介します。
▽ポイント(1)子どもの体格と合うか
ジュニアシート選びで最も重要なのは「子どもの体格に製品が適応しているか」です。
使用基準はもちろん、高さの調整度合いやパーツ着脱の可否も確認しましょう。口コミや評価で決めず、実物を見て、可能なら子どもを座らせてみて決めてください。
▽ポイント(2)クルマにうまく載るか
クルマの広さは車種によって異なり、ジュニアシートのサイズ感も製品によって異なります。
購入前には車内の広さと製品サイズを確認し、載せても十分な広さを確保できるかチェックしましょう。メーカーによっては、製品のWebサイトで車種とジュニアシートが適合しているか調べることもできます。
▽ポイント(3)背もたれの有無
ジュニアシートには、背もたれのあるタイプとないタイプ(ブースターシート)があります。
背もたれのあるジュニアシートのほうが、安全性は高いです。 一方、ブースターシートは着脱が簡単で、他のクルマに積み替える際に便利です。また、子どもにとっては身体を動かしやすく、ゆったり座ることができます。
背もたれ部分を着脱し、ブースタータイプに早変わりする製品もあります。
▽ポイント(4)取り付け方
ジュニアシートの取り付け方には「ISOFIX(アイソフィックス)」タイプと「3点シートベルト」タイプの2種類があります。
ISOFIXは、チャイルドシートを固定する方式の国際基準資格です。専用の金具で固定します。取り付けが簡単で固定ミスも少ないですが、車種によっては装着できません。
3点シートベルトタイプは、クルマのシートベルトで固定します。ISOFIXタイプより幅広い車種に対応できる一方、シートベルトの緩みによる固定ミスに注意が必要です。
【半数近くが正しく装着できていない】
警察庁の最新の調査では、チャイルドシートを設置している人のうち、適切に取り付けられていたのは約6割。つまり残りの約4割は、装着方法が適切でない状態でした。製品購入後は、必ず取扱説明書で装着方法を熟読しましょう。
▽ポイント(5)手入れのしやすさ
ジュニアシートを使用すれば、飲食によるシミや汚れ、設置面の汗や蒸れによる匂いなどが発生します。そのため座面や背もたれ、ヘッドレスト部分が着脱でき、さらに洗濯機で洗える製品を選ぶと良いでしょう。
▽その他のポイント
この他にも、以下のような点に注目するのがおすすめです。
・Eマーク(国交省認定マーク)がある
・クッション性があり、快適に座れる
・メッシュ素材などで通気性が良い
・子どもが気に入っている
子どもの命にかかわるグッズだからこそ、安心して利用するため「Eマーク」搭載の製品を選ぶことが望ましいです。また、子どもと実物を見に出かけ、座り心地や素材、子ども自身の反応を見るようにしましょう。
ここでは、製品選びの目星をつけられるよう、おすすめの5製品をご紹介します。
▽コンビ「ジョイトリップ アドバンス for kids R129 エッグショック MA」
・推奨身長:100~150cm
・取付方法:ISOFIX
国内のチャイルドシートブランドでも、認知度の高いコンビ。この製品は、成長に合わせて背もたれを11段階で調節できるジュニアシートです。
3Dメッシュ素材を使い、各パーツを洗濯機で丸洗いできます。頭部には超・衝撃吸収素材「エッグショック」を搭載し、安全性も確保しています。
▽マキシコシ「RodiFixPro 2i-Size オーセンティックグラファイト」
・推奨身長:100~150cm
・取付方法:ISOFIX
オランダのメーカー「マキシコシ」の製品です。特許技術も活用した高い安全性を誇り、側面からの衝撃や頭部への衝撃をしっかり吸収します。
リクライニング機能も有しているので、子どもが快適に過ごしやすいです。
▽アップリカ「ライドクルー ISOFIX」
・推奨身長:100~150cm
・取付方法:ISOFIX
アップリカもチャイルドシートで購入者の多いブランドです。メッシュ素材の低反発クッションシートを採用し、シートカバーは洗濯機で丸洗いできます。
また、この製品はブースターシートに変えることも可能。子どもの成長や用途に合わせた使い方ができます。飲み物などを置く収納式カップホルダーを2つ備えているのも嬉しいポイントです。
▽グレコ「ジュニアプラスネクスト」
・推奨身長:100~150cm
・取付方法:3点シートベルト
コストパフォーマンスに優れた製品です。リクライニング機能や収納式のカップホルダーを有し、シートのクッション性も十分にあります。
また、ブースターシートに変えることもでき、洗濯機で洗うことも可能です。コスト重視の人にお勧めします。
▽コンビ「ジョイトリップ アドバンス ISOFIX エッグショック SA」
・推奨体重:7.3~19kg
・推奨身長:76~150cm
・取付方法:ISOFIX
おすすめ製品の1つ目にご紹介した製品の、1歳から使えるバージョンです。長期間使うことができ、折り畳みも可能です。シートもカバーも洗濯機で丸洗いできます。
■ジュニアシートに関するQ&A
▽Q.ジュニアシートはどこに取り付ける?
ジュニアシートは、安全性を考慮して後部座席に取り付けるのが原則です。特に1台の場合は、助手席の後ろのシートに装着することをお勧めします。
▽Q.背もたれのない製品は何歳から使える?
背もたれのないジュニアシート(ブースターシート)の使用目安は、身長100cm以上、体重15kg以上です。年齢としては、3歳の終わりごろから4歳のときに、この条件を満たすことが多いです。
▽Q.ジュニアシートは助手席に置いていい?
助手席に取り付けるのは違法ではありませんが、望ましくありません。特に、ISOFIXタイプの製品は後部座席での使用を前提としており、助手席で使用できないことが多いです。
(まいどなニュース/norico)