繁殖場の過酷な日々を乗り越えた保護犬…今、満面の笑みが愛おしい トイレトレーニングを経て飼い主さんと築いた信頼の絆

3年前、カニンヘンダックスの元保護犬「アポロ」くんは、優しい飼い主さん家族のもとで新たな犬生を歩み始めました。

ご縁を得たのは、X(旧Twitter)ユーザー・過保護犬アポロさん(@protectapollo)。過去に悲しい別れを経験したことが、アポロくんとの出会いに繋がりました。

2021年10月17日、アポロくんは飼い主さんのおうちに迎えられました。それ以前は、繁殖場で過酷な環境に置かれていたといいます。

飼い主さんは、アポロくんと出会う前、愛犬を病で亡くしました。家には、愛犬のために用意したもの、暮らしに必要なものすべてが残ったまま……。幼少期から犬とともに暮らしてきた飼い主さんは、「犬がいない生活は考えられない」と思い、新たな出会いを探し始めたのです。

ある日、保護犬の譲渡サイトで1匹の犬に目が留まりました。それが、アポロくんです。「この子をお迎えしたい」という思いが込み上げてきた飼い主さんは、すぐに連絡をしました。

「譲渡が決まったときは、本当にうれしかったです。車でアポロを迎えにいく間、ずっと胸が高鳴っていました」

こうしうて、飼い主さんとアポロくんは初対面を果たしました。

「初めて会ったときのアポロの表情が忘れられません。少し不安そうでしたが、一緒に帰るとわかるとすぐに甘えてくれたのです。その姿を見て、迎え入れる決断をして本当に良かったと思ったのを覚えています」

こうしてアポロくんは、推定4歳のころ、飼い主さんが運転する車に乗ってずっとのおうちへ向かったのです。

■試練を乗り越えたアポロくんの成長

新しいおうちでの生活が始まった当初、アポロくんは家のあちこちで用を足してしまったといいます。

そのため、飼い主さんは根気強くトイレトレーニングを開始。少しずつ生活に必要なことを教えました。

「ところかまわず用を足してしまうため、とても大変でした。トイレトレーニングを続けると、ひとつずつ覚えてくれるように。アポロが一生懸命に学ぼうとする姿を目にして、愛おしさが増しました」

アポロくんは、とても好奇心旺盛で人懐っこい男の子。これまで飼い主さんが迎えたのは、すべて女の子だったため、ワンちゃんの新たな魅力にふれることとなりました。

一方、アポロくんは、ほかのワンちゃんに近づかないのだとか。過去に繁殖場などで何があったのかはわかりませんが、体には無数の傷があることから何らかのつらい経験をしたのかもしれません。

飼い主さんは、アポロくんの過去もふくめてすべてを受け止め、愛情を注いでいます。

「めったに吠えることはありませんが、家族に対しては自分の要求をしっかり伝える子です。そうしたところがとてもかわいらしいです」

アポロくんと飼い主さんは、少しずつ信頼を深めながら、おうちで安心して過ごせる環境を整えていきました。

■太陽神の名を持つアポロくんへの願い

アポロくんは、今年7歳になりました。

飼い主さんとの信頼の絆は日に日に固く結ばれています。

「アポロには、『これからもずっと一緒にいてね』と伝えたいです。Xのユーザー名を「過保護犬アポロ」としたのは、保護犬というよりも「過保護に育てている」というジョークから着想しました。たくさん甘えて、これからも健康で1日も長く一緒にいたいです」

これからもアポロくんと飼い主さんの絆はさらに深まり、手に手をとって一緒に幸せな日々を過ごしていくことでしょう。

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス