父に懐くまで3年、雪の日も台風の日も排泄は外で 広島からやってきた保護犬と、少しずつ深めた絆 今では家族の真ん中にいる存在に
寒さが残る2017年、インスタグラムユーザー・やすこさん(@eins9304)は、広島からやってきた保護犬と出会いました。推定4カ月の女の子「アインス」ちゃんは、その小さな体にたくさんの好奇心と少しの不安を抱えていました。家族として迎えることを決めた日から、喜びと試練が入り混じる日々が始まったのです。
■運命を感じた出会いと譲渡への決断
犬を飼うことになったとき、やすこさんの家族は迷わず保護犬を迎えることを選びました。いくつかの譲渡センターを回る中で、広島から来たばかりのアインスちゃんと出会ったといいます。
「アインスは当時3カ月で、『天真爛漫でお散歩大好き!人も大好き!』というキャッチフレーズで紹介されていました。面会はまだ数回でしたが、母、姉、私にはすぐ懐いてくれて、譲渡がすんなり決まりました」
譲渡センターのスタッフが名付けた「アインス」という名前は、ドイツ語で「1(eins)」という意味があり、兄弟の中でミルクを一番多く飲んでいたことに由来しているのだそうです。最初は「変わった名前だな」と思ったというやすこさんですが、家に迎えて可愛がるうちに自然とその名前が馴染んでいきました。
■新しい生活での発見と試練 少しずつ深まった絆
家に迎えてから、アインスちゃんとの生活には驚きと試練がありました。譲渡センターでは女性スタッフと過ごしていたこともあり、男性に対する警戒心が強かったといいます。
「父が毎朝、散歩に連れて行ってくれていたのに、懐くまでに3年くらいかかりました。散歩中にハーネスが外れてしまい、父とアインスが3時間も睨み合ったこともあります。父は足が悪く追いかけられなかったので、その時は本当に大変でした」
他にも、譲渡センターでは室内のペットシーツで排泄できていたのに、家に来てからはまったくできなくなるという困りごとも発生しました。
「散歩中のおしっこをシーツに移しても、家の中では排泄しなくなりました。雨の日も雪の日も台風の日も、外に連れ出さないといけなくて大変でした」
それでもアインスちゃんは少しずつ新しい環境に慣れ、家族との絆を深めていきました。食いしん坊な一面もあり、子犬時代はBBQでお肉をこっそり盗んで怒られたこともあったそうです。
■家族の中心にいる存在へ 歳月を重ねた今とこれから
時が経ち、現在8歳の女の子となったアインスちゃんは実家でやすこさんのご両親と暮らしています。白髪が目立つようになり、シニア犬らしい落ち着きを見せるようになりましたが、その存在は今も家族の中心です。
「アインスを迎えてから、家族の話題は犬のことばかりになりました。両親は近所の犬友達と年に3回以上は犬連れ旅行に出かけています。散歩で出会った犬友達やその家族とこんなに交流するようになるなんて、アインスを飼う前は思ってもいませんでした」
アインスちゃんは普段とてもおとなしく、年に数回しか吠えないほどです。しつこい犬には怒ることもありますが、基本的にはおおらかで優しい性格。特に人の会話をよく聞き、空気を読むような賢さを持っています。
「撫でられるのが好きで、すぐにお手をして『撫でて』と催促します。譲渡センターで『天真爛漫でお散歩大好き!人も大好き!』と紹介されていたのに、成長していくうちに実はとても臆病な性格だとわかりました。子犬の頃はピンチハンガーが倒れる音でびっくりして漏らしてしまったこともあります。大きな音や急な動作、小学生くらいの子どもや大型犬は少し苦手ですが、鳩や猫は追いかけますし、他の犬にも自分から挨拶しに行きます。距離感が大事な子なんです」
最近では突然アレルギーを発症し、大好きだったお肉のおやつが食べられなくなってしまいました。それでも、文句を言わずに食べられる魚のフードや薬をしっかり口にしているそうです。
「薬も嫌がらず食べてくれて、本当に偉い子です。制限のある食事になってしまったけれど、そのおかげで少しスリムになったかも。何より、いつまでも元気でいてほしいと願っています」
アインスちゃんは、やすこさん一家にとってかけがえのない存在。笑顔とつながりをもたらしてくれたその姿は、これからも家族の中心で温かい時間を紡ぎ続けることでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
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