「遅番や祝日も勤務するのが正社員だ」第2子の育休明けに迫られた勤務条件の変更 会社の対応は許される?【社労士が解説】
Aさん(30代)は、ホテルのフロントで働くフルタイムの正社員で、現在第2子の育休を取得しています。Aさんは以前、第1子出産後に育休を取得しました。そして復職後は職場の理解もあり、平日の早番中心・祝日休みのシフトで働いています。
ところが、第2子出産後の育休明けを控え、上司から「現在の条件ではシフトが回しにくい。復帰後の働き方について、一度整理してほしい。遅番や祝日も勤務するのが正社員だ」と指摘されます。さらに、これまで柔軟に対応されていた希望休についても、今後は会社が定めた範囲内での対応になると告げられるのです。
Aさんの子どもが通う保育園は祝日が休園で、遅番の場合は延長保育料もかかります。その事情を伝えても会社の対応は変わらず、困り果ててしまうのでした。このように会社側が育休明けに勤務条件を見直すことについて、社会保険労務士の小島朋子さんに話を聞きました。
■Aさんは柔軟な働き方を実現するための措置を求めることができる
ー育休明けに、遅番や祝日出勤を求められることは、許されるのでしょうか。
Aさんのケースの場合、一方的な変更は問題です。
育児・介護休業法では、会社に対し、子が 3 歳になる前に、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取をする義務が定められています。
Aさんは、その際に保育園の事情を詳しく説明し、勤務時間帯や就業条件(業務量や労働条件の見直し)などを申し出て、柔軟な働き方を実現するための措置を求めることができます。また、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合、残業免除になります。
ー「それが正社員の基準だから」という理由で、働き方の変更を迫られることは問題ないのでしょうか?
「正社員の基準だから」という理由で、育休前と同じ働き方を強要されるのは問題があります。
正社員であっても、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関しては、柔軟な働き方を実現するための措置を講じることが義務付けられます。
事業主は、①始業時間等の変更②テレワーク等③保育施設の設置運営等④養育両立支援休暇(10日以上/年)の付与⑤短時間勤務制度の中から、2つ以上の措置を選択して講ずる必要があります。
ーこれまで認められていた希望休や有休の取り方を、育休明けに制限することは許されるのでしょうか?
有休は、会社にとって「事業の運営に支障がある場合」に限り、使用が制限される可能性があります。
また、小学3年生修了までの子について、病気やケガ、予防接種、健康診断、学級閉鎖、入園式等の場合、1年度に5日(対象となる子が2人以上の場合は10日まで)までの休暇が取得できます。
ー同じような相談は、現場で増えているのでしょうか?
育児介護休業法が2025年の4月と10月の2段階で改正されたため、規則の変更と実際の運用のご相談が増えています。
◆小島朋子(こじま・ともこ)社会保険労務士/社会保険労務士事務所ホライズン代表
千葉県を拠点に活動する社会保険労務士です。障害年金の代理請求を中心に、法人向けには労務に関する各種ご相談、給与計算業務や給与ソフトの導入・設定確認を承っております。会社と人との良好な関係を築くためのサポートをいたします。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)





