春先に届いた固定資産税の納税通知書 「まだ大丈夫」と放置して数カ月…差押予告書の赤封筒が届いた!【税理士が解説】

仕事に忙殺される日々を送るAさんは、自宅のダイニングテーブルに積み上がった郵便物を放置し続けていました。その中には、春先に届いた固定資産税の納税通知書も紛れ込んでいます。すぐに納税手続きをおこなわなければいけないと思いつつ、Aさんは「忙しいし後にしよう」と軽い気持ちで、書類は未開封のまま納税を後回しにしました。

それから数ヶ月後、Aさんの家に役所から届いたのは、いつもの素っ気ない封筒ではなく、赤字や太字で強調された「差押予告書」という書類でした。中身を確認したAさんは、全身の血の気が引くのを感じます。そこには、指定の期日までに納付が確認できなければ、預貯金や給与、さらには不動産を強制的に差し押さえるという警告が記されていたのです。

会社の給与口座が凍結される恥ずかしさや、住み慣れた家が競売にかけられる悪夢がAさんの脳裏をよぎります。この後も税金を滞納し続けた場合、どのような事がおきるのでしょうか。正木税理士事務所の正木由紀さんに話を聞きました。

■最悪、財産が差し押さえられることも

ー税金を滞納すると、まずどのようなことが起こりますか?

納期限を過ぎても支払いがない場合、法律により「納期限後20日以内」に必ず督促状を送らなければならないと決まっています。これは単なるお知らせではなく、「差し押さえの前提条件」となる重要な書類です。

また、納期限の翌日から「延滞金」というペナルティが発生します。最初は少額でも、年利換算で高金利となる場合が多く、放置すればするほど雪だるま式に膨れ上がっていきます。

ー督促状を無視し続けると、いつ、どのようなタイミングで「財産差し押さえ」が実行されますか?

法律上は「督促状を発した日から10日を経過した日」以降、いつでも執行可能です。

実務上は、すぐに差し押さえをおこなわず、何度か催告書(黄色や赤色の封筒など)を送る自治体もありますが、これはあくまで役所の「温情」に過ぎません。Aさんのように「予告書」が届いた段階は、すでに役所側が銀行への照会(財産調査)を終え、「いつでもボタンを押せる状態」にあると考えられます。

また、財産差し押さえに滞納額の多寡は関係ありません。実際に、金額が少なくても差し押さえを実行すると公式サイトにて示している公共団体もあります。

ーどうしても税金が払えない場合、放置せずにどうすればよいですか?

一刻も早く、役所の窓口へ行って相談してください。

もっとも悪い対応は「無視・放置」です。役所は、連絡が取れない滞納者を「悪質な逃げ得狙い」と判断し、強硬な手段に出る傾向があります。

一方で、自ら出向いて事情を説明すれば、分割納付(分納)を認めてもらえるケースもあります。また、病気や失業、災害など特別な事情がある場合は、「徴収猶予」や「換価の猶予」といった制度を利用できる可能性もあります。

「差押予告書」が届いてからでも、実際に執行される前であれば、話し合いの余地は残されています。震えている時間を、相談に行く時間に変えてください。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)

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