警視庁元公安部員「捜査に問題」 大川原化工機事件、東京高裁

 生物兵器製造に転用可能な装置を無許可輸出したとする外為法違反罪の起訴が取り消された大川原化工機の大川原正明社長(75)らが、東京都と国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審口頭弁論が9日、東京高裁であった。警視庁公安部に当時所属した警察官は原告側の証人尋問で、輸出規制を所管する経済産業省に警視庁独自の解釈を認めさせたとし「(立件は)日本の安全を考えたものではなく、決定権を持つ人の欲だと思う。捜査に問題があった」と述べた。

 問題となったのは霧状の液体を熱風で瞬時に粉末化する「噴霧乾燥装置」。規制対象の「滅菌または殺菌できるもの」に該当するかが判然としていなかった。

 この日の尋問で警察官は、装置が規制対象となるよう、1種類でも熱風で細菌が死ねば「殺菌」になるとの解釈を警視庁がつくったと証言。当初経産省は解釈の受け入れに難色を示したが、その後に判断を一転させたという。

 大川原社長や相嶋さんら3人は2020年3~6月に逮捕、起訴された。東京地検は初公判直前に、犯罪に当たるかどうか疑義が生じたとして起訴を取り消した。

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