福井中3殺害、再審認める 関係者供述の信用性否定

 名古屋高裁金沢支部の再審開始決定を受け、喜ぶ前川彰司さん(中央)ら=23日午前、金沢市
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 1986年に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で、殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(59)の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部(山田耕司裁判長)は23日、裁判をやり直す再審の開始を認める決定をした。前川さんは捜査段階から無実を訴えてきた。

 高裁支部は、確定判決が有罪の根拠とした関係者供述について、自己の利益のためうその供述をした疑いがあり、信用できないと指摘した。

 前川さんは90年に一審福井地裁で無罪判決を受けたが、二審の高裁金沢支部で逆転有罪となり、確定。第1次再審請求で、高裁金沢支部は2011年、再審開始を認めたが、検察の不服申し立てを受け、名古屋高裁の異議審で取り消された。

 23日の決定を受け、前川さんは「ほっとしているが、浮かれるわけにはいかない」と述べた。

 犯人を指し示す直接的な証拠がない中、確定判決は「前川さんに犯行を告白された」などとする複数の知人の証言を有罪の根拠とした。司法判断ごとにこれらの証言の評価が二転三転する異例の展開をたどってきた。

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